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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#40 "killed in action"
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でもマフィアとしては似つかわしくない行動というのは多々ある。
恐れられるのは一向に構わないが、必要以上に警戒心を持たれるのは宜しくない。
あくまで我々はロシアンマフィアである『ホテル・モスクワ』の一員なのだ。
少なくとも表面上はそれで通す。
我々が真に何者であるかは我々だけが知っていればいい。
いつかやってくる"最後の戦争"の時までは。
「着いたぞ、行くか」
今夜の目的地である『カリビアン・バー』に到着する。
ブラン・ストリートにあるこの店はうちの縄張りの中にある店では、比較的売上げのいい店だ。
ただこの騒ぎで多少は影響が出ているのか、メニショフに続いて店内に入り、中を見渡す限りでは客の数は少ない。
カウンターに二人、テーブル席に一人か。
三人ともこの店で見た顔ではある。襲撃犯としては相応しくないか……
「よう、景気はどうだ?」
メニショフがカウンター越しに店主に声を掛ける。
特に問題がないようなら集金を済ませて次の店へと行かねばな。 何しろまだ敵の姿は……
「何?ガキの二人連れだと?」
メニショフが上げた声の大きさに思わず店内に向けていた視線を彼に向ける。
「あ、ああ。
ブーゲンビリア貿易の、バラライカさんの名刺を出してきたぜ。
アンタんとこで客をとってるんだけど、今夜はうちで客をとる許可を得てるって……
え?聞いてないのか?」
メニショフが此方を向いてきたので、小さく首を振り、意思を伝える。
俺も確認してないと。
「で、そのガキどもは他に何か言ってたか。いや、その前にソイツら今どうしてる?」
メニショフが店主に早口で訊ねる。
大尉の名刺を持っていたガキ、だと。
俺も一歩メニショフに近付き、店主の話を聞き逃すまいと顔を睨みつける。
これはもしや……
「え、あ、お、奥に行ってろと言ったから、今も多分店の隅にでもいるんじゃ……」
そう言って店内の奥を指差す。俺とメニショフがそちらを振り向いたのは恐らくほぼ同時だったろう。
そして、
「!」
「ぎゃあ!」
「ひい」
「な?な、なんだ?」
「がふっ!」
店の奥から銃撃を受けたのもほぼ同時だった。
腹と太股に弾を受けて後方に飛ばされながら、俺の目でかろうじて確認できたのは……
此方に向けられたのがライフルである事と、撃った奴の髪が銀色である事だけだった………
【11月3日 AM 2:00】
Side 銀色の髪を持つ二人
「あ〜あ、ねえさま。今日は随分とあっさり撃っちゃったんだね。
いつもなら、もうちょっとゆっくり楽しむのにね」
座り込んでいた店
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