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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#39 "death voice"
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…ふたリの仕事ッて…やっパリ… 例の…犯人ヲ探す……ことなノ?』
腰に手を当ててロットンを睨みつけているシェンホアに訊ねる。
「ええ、そうなんですだよ。最初はその予定じゃなかったんですけどね」
肩を竦めながら返答するシェンホア。
ロットンはコートでも取りに行ったか、リビングの奥へとある部屋に入っていった。
ところで、私の声は拡声器によって補完されているわけだが、中々のデスヴォイスに仕上がってる。
これだと微妙なニュアンスなど伝えるには不便なのだが、 元々それほど深い付き合いをしてる知り合いがいるわけでもない。
それもあってか別に不満など感じていない。
慣れてくるとこのヴォイスにもキュートさがあり、味わい深くもあるのだが。
「待たせたな、シェンホア」
奥の部屋からロットンが出てくる。
予想通り日中に着ていた黒いコートを纏っている。
どうでもいいがこの街だとコートはさすがに暑くはないのだろうか。しかも黒。
私も決して人の事は言える服ではないのだが、私は基本的に日中は出歩かない。
今日は気紛れ中の気紛れだ。
「それじゃ私らは出てくから、ソーヤーは好きにしてくれてていいね。
それとも自分の
家
(
ヤサ
)
に帰るか?」
シェンホアに訊ねられてふと考える。そう言えば私は何故ここにいるんだろうと。
始めはたんに
太陽
(
天敵
)
から逃げ出すことしか考えてなかったのですが、ロットンからゲームに誘われて。
それに付き合っていたら時が経つのも忘れ熱中してしまい、シェンホアには昼食どころか夕食までご馳走になってしまいました。
このまま二人を見送って一人でごろごろするのも良いし、自分の部屋まで帰ってもどちらでもいいわけですけど、さて……
『シェン…ホア…チョっと聞くの…ダケれど、相手の目…星は…ついテ…るの?』
「それが全然なのですだよ。取り敢えず街を彷徨いてみるつもりなのですけど、どうかしましたか?」
シェンホアが怪訝そうに聞いてくる。
ロットンは明後日の方向を向いたままだが。
一体彼の目には何が見えているのだろう。知ってしまうのも怖い気もするが。
『あなタ…たちさえ…ヨければ… 私も…連レて…いって…モラエない?
出来れば…家ニ…寄って……もらえレバ… 助か…るのだけ……ド』
私の商売道具は自分の部屋に置きっ放しにしてある。
夜ならともかく昼にアレらを持ち歩くのは、かなり気が乗らなくては無理だ。
私の商売道具というのは、仕事柄どうしても大荷物になりがちだ。
死体を入れる袋やら、解体用の道具など中々に嵩張るのだ、これが。
まあ、今回はソレらは必要ない。
今夜いるのは死体処理用ではなくて、死体を作り出す方のやつだ。
勿論それもお気
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