第一話 うつけ生まれるその六
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かねた政秀が諫言をしても聞く耳なぞ持たない、まさにそんな有様であった。
「全く。信長様は」
「平手殿は気付いておらぬのか」
「あれで頑固な方だからな」
「しかもじゃ」
柴田に佐久間、それに林はそんな政秀を見て言うのだった。
「どうも吉法師様は平手殿には頑なじゃな」
「確かにな」
「殊更にな」
吉法師のその行動に気付いたのである。
「どうも平手殿にはとりわけ御自身を見せようとされぬ」
「それが何故かわからぬがのう」
「何故じゃ?」
三人は話をしながらそれぞれ首を傾げさせる。
「何故平手殿にはとりわけ」
「そうじゃな。平手殿は決して裏切らぬ方」
「忠義では誰にも負けぬ」
政秀はそうした男だった。織田家への忠義はまさに鋼の如しでありそれが揺らぐことはない。戦よりも政の方に向いている男だがそれだけに普段は誰よりも頼りになる。
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