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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#29 "homecoming"
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。
聞かれもしなかったけど。
ただ「おにいさん」と呼ばれただけだ。
何でだろう……
あの二人には言いたくなかったのか……
未だ・・・に成りきれていないから。
この街の住人だと胸を張って言えないからか。
もし、次にあの二人と出会ったら……
その時は何て言おう?
俺は誰だと名乗ればいい?
"岡島録郎"でもない。
"・・・"でもない。
俺は何と名乗ればいいのだろう。
それも自分で決めれば良いのか?
自分で考えて、自分の好きな様に、勝手にやっちまえばいいのか。
そういうものなのか。
新しい名前を付けたとして……
・・・はどうなる?
・・・はもう死んだのか。
生まれてすらいないのに。
今度は俺が殺すのか、・・・を。
レヴィが以前言っていたな。
ロアナプラ
(
この街
)
は歩く死人達の街。まともな奴なんて居やしない。それは"アイツ"でさえも。
じゃあ、いよいよ俺もこの街の住人になれる資格を得たのか。
何もかもを諦める事が条件だというならば。
……俺はまだ諦めきれない。
・・・になる事も。
ラグーンの一員である事も。
"アイツ"と向き合う事も。
頭の中に
靄
(
もや
)
がかかり出す。
これ以上考え事は無理かな、今夜は……
眠ろう ゆっくりと、深く、深く。
今はただ、あの二人に感謝しつつ。 後は起きてから決めればいい。
朝になって、太陽の光を浴びて……事務所に…行って…… みん…なに……あいさ…つして………そ…れ……から……………………… ……………………………………………… ………………………………………………… ……………………………………………………
Side 双子
ねえさま この街は本当に面白いね
ええ そうね にいさま 本当に面白いわ
あのおにいさんは"いい人"だね
だから歌を聞かせてあげたのよ 初めてだわ にいさま以外の人の前で歌うなんて
今夜も素敵だったよ ねえさま
ありがとう にいさま
あのおにいさんともまた会えるかな?
会えるわ きっと
また会えたら"お礼"をしてあげようか
それもいいわね
でも"外"だと寒いかな?
寒いのは嫌よ わたし
おにいさんは残念だね "お礼"はもらえそうにないかな
仕方ないわ 寒いのは嫌だもの
ふふふ
ふふふ
次は何処へ行こうか ねえさま
何処がいいかしらね にいさま
次は誰を殺そうか ねえさま
誰がいいかしらね にいさま
街には"黄色"が目立ってたね
"あの人"が話したのよ きっと
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