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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#28 "finally the wizard comes on the stage"
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【11月2日 AM 1:31】
Side レヴィ
「それで……
あん?どうかしたのか?」
込み入った話も終わり、ベニーも何とか起き出してきた。
また三人でダラダラと話をしてた時、横の席に座ってるゼロがそっぽ向いてる事に気付いた。
アタシもつられて同じ方向を見てみる。
どうせ代わり映えのしねえ連中しかいねえだろうに、何を見てやがんだ?
「二人ともどうかし……ん?見ない顔だね。最近外からの"お客さん"が増えてるけど……」
背中から届いたベニーの声を聞きながら、最近の街の事情を思い返す。
確かに街の不穏な噂を聞き付けてか、或いは中の人間が呼び寄せてるのか、外から来る輩はかなり増えてきてる。
今アタシらが見てんのもその類いか?
壁際のテーブル席に男が一人で座ってやがる。
店の中だってのに黒いロングコートを着たままの細身の白人野郎か。
サングラスをかけてやがるから、ハッキリとは分からねえが視線は此方に向かっているように感じられる。
おまけに髪は銀に近い白髪か……
見た目20代くらいだろうから、ゼロを襲ったガキってわけじゃねえんだろうけどな。
「おい。あの白髪のすかした野郎ってお前の知り合いか?」
「いや、初めて見る顔だ」
そう言いながらゼロは視線を外そうとしない。
向こうも此方を、と言うかゼロを見てやがる。
どうやら野郎は外の人間で間違いねえらしい。
この街の人間でゼロ相手にあんな態度を取れる奴はまずいねえ。
店にいる連中も気付き始めたな。
野郎の近くに座ってた連中は席を移し出したし、周りの連中も注目し始めたみてえだな。
「あのさ。一応
『イエロー・フラッグ』
(
ここ
)
って中立地帯だからね。
おまけに街がこんな状態なんだし、荒事は控えた方がいいと思うよ」
ベニーが声掛けてくるんだけど、ゼロは返事もしやがらねえ。
代わりにあたしが振り返って、ベニーに訊ねる。
「なあ、ゼロの奴どうかしたのか?コイツがこんだけ
眼
(
ガン
)
垂れるなんてよっぽどの事だぜ」
「レヴィが分からないんじゃ、僕に分かるわけがないよ。
第一ゼロの考えてる事なんて分かった試し無いよ、僕」
二人で顔を寄せ合い話し合うが、結論なんざ出やしねえ。
面倒臭くなってきたんで直接どちらかに問い質してやろうか……
アタシが少し苛つき始めたその時、
"お、おい" "た、立ったぞ" "ど、どうするつもりだ?"
店内がざわつき出す。
首だけを捻ってさっきまで見てた方を窺ってみれば、野郎が席から立ち上がってやがった。
店内中の注目を集めた野郎が次に取る行動は、
「こ、此方に来るよ」
真っ直ぐカウンターに、いやアタシらの方に向かってきやがる。
結構背は高いな。けどゼロよりは低い、
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