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第四十四話 王の名
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ユは先ほどまで飲んでいた紅茶を飲み始める。

「・・・そういえば、ルシフェル」

「なんだ?」

「・・・≪種族九王≫ってなんだ?」

その言葉を聞いたルシフェルは例えようのない表情になった。

「知らないのか?」

「ああ、知らない」

ルシフェルの問いに即答するソレイユ。そんなソレイユを見たルシフェルは、ホントにお前ってなんなんだよ・・・、といいながら影を落とした。どうやら、ルシフェルはソレイユが≪種族九王≫を知っていると思い込んでいたらしい。

「初代領主たちの総称した呼び方、ぐらいしか聞いてないぞ」

「ああ、わかったよ!説明すればいいんだろ、説明すれば!」

そこから、ルシフェルの≪種族九王≫講義が始まった。ちなみに、ちゃっかりと飲み物とつまみになるようなものを頼んでいた。

「種族九王たちっていうのは、各種族最強と呼ばれたプレイヤーたちに与えられた名称でな。その人たちを超えるプレイヤーはいまだに現れてないんだ。でも、あるときその王たちは追放された」

「それはまたどうして?」

「ある時、その王たちが力を合わせてグランドクエストに挑んだんだ。しかし、最強と呼ばれるプレイヤーたちの力をもってしてもクエストが達成されることはなかった。それで帰ってきた王たちはこう言ったんだ―――『あのクエストはクリア不可能だ』と」

ルシフェルは紅茶を飲みのどを潤した後再び語り始める。

「誰しもが負け惜しみだろうと罵り、嘲笑った。ここにダイブしてんのはネットゲーマーたちだ。そんなやつらが頂点に立つ者たちの失態を黙って見過ごすはずもなかった」

その言葉にソレイユが思い出したのは、SAO時代に知り合った趣味の悪いバンダナを巻いたプレイヤーの言葉だった。

『ネットゲーマーは嫉妬深いからな』

ソレイユ自身、≪剣聖≫と呼ばれていたので僻みや妬みを受けたこともあるので、それは痛いほどわかっていた。

「そして、サラマンダーの内情に変化があった」

「・・・それは?」

「サラマンダーの王がレネゲイトされたんだ。それを扇動したのが、今の領主であるモーティマーだ。奴はじっと王の失態を待ち望んでいたんだろうぜ」

「・・・・・・」

ソレイユは特に何かを言う訳でもなく、ルシフェルに続きを促した。

「いきなりのことだったが、それを機にほかの種族も王のレネゲイトを行った。誰も王たちの言葉を信用しなかったんだ。ただ、ケットシーやレプラコーン、プーカに至ってはそれに含まれない。その三種族は王たちをレネゲイトしなかった。だが、それではけじめがつかないと言って、その三種族の王たちは自ら領主の座を捨てた」

「・・・・・・」

「それか
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