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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
番外編 ヒロイン達の想い【後編】
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屋の扉越しにしてくれていただけだ。ただそれだけで少し気が楽になっていた。その話を聞いてる間だけあの事件を考えずにいられたから。そこから立ち直るまでは早かったと思う。リサーナに受けていた注意をそのまま反映させて自分を変えようと思ったから。短気な所を治し、落ち着いた大人になろうと思った。服装や髪型を変えて、言葉遣いも変えた。ギルドの皆は私を見て驚いていたけど、すぐに温かく迎え入れてくれた。



 私が立ち直って少したったある日、女性四人で集まろうとカナに呼び出された。そのメンバーの名前を聞いたとき大体の内容は予想はできた。ルシア・レアグローブに惚れこんでいる女性達だ。ただ珍しくは思った。この四人が一同を介することなど今までなかったから。案の定、ルシアの事だったが内容は一歩踏み込んだ話となっていた。それはルシアをこの四人で共有すること。

 この提案を初め聞いたとき、正直戸惑った。ただ、次に思ったことは意外と魅力的な案だと感じた。もちろん独占はしたい。けれど、私が精神的に参っていたときに助けれくれたエルザ、さりげない気遣いをしてくれたカナやエバーグリーンとはあまり争いたくはないという思いも強かった。皆同姓の私から見ても良い女性だと思う。だけど、もしルシアとの恋愛の末、以前の関係ではいれなくなる可能性を感じたとき、ならばこの案はいいのではないかと思った。議論の結果、無事皆の共有財産となった。もちろんルシアの気持ちも汲まなければなれないけれど、そこはあまり心配していない。ルシアも男の子だから。


 その会合があった日から数日後、ルシアがクエストから戻ってきた。たぶんルシアがギルドに帰ってきて一番最初に私が気がついたと思う。彼はいつもギルドの扉を音をたてず静かに開けるクセがある。その次に気がついたグレイが真っ先にルシアのほうに向かって行った。たぶんリサーナと私についての事を話すためにギルドから連れ去っていったのだろう。……あの子は一番人に気をつかえる子だと思う。うん、変な女性に引っかからないか少し心配だ。

 それはともかく、これはチャンスだと思った。今夜勝負に打って出よう。事情を聴き混乱しているうちに仕留める。リサーナを利用しているみたいで少し嫌だけど、でもリサーナならそれぐらい武器に使っていくべきだと言ってくれそうだ。昔からマセた女の子で、よくナツをからかっていた。女の武器をあの子は一番理解していたんじゃないかとも思う。

 ……皆のルシアだけど、一番は取られたくなかった。そうして私は生まれて初めての経験をして女の子から女になれた気がする。愛した男性との一夜はとても幸せで至福の一時だった。












side エバーグリーン




 無駄とも思える毎日の積み重ねが女を美しくする。
 
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