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FAIRYTAIL-ダークブリングの力を操りし者-
番外編 ヒロイン達の想い【前編】
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ん、ニヤリと笑う少年など年相応ではないかもしれないけど、私には無邪気な顔に見えてしまう。そしてその時に気がついた……ルシアのことが好きかもしれないと。

 次の日ルシアが見たことない程ボロボロになってギルドに帰って来た。それも物凄い不機嫌そうな顔で。瞬く間にカウンターに座りお酒を飲み始めたのを見て、模擬戦の結果を悟った。それはその時共に話していたエルザも察したようで、二人で顔を見合わせ苦笑いした後、ルシアの両サイドにエルザと座った。その時のルシアはブツブツとあの時の判断が甘かったなど私たちに話していたが、そんなことは耳に入らないくらい涙目のルシアは可愛かった。そしてこの珍しい顔を見れたことに信じてもいない神様に感謝し、ルシアを二人で慰めた。


 それから数年間、いろいろとルシアと依頼を共にして分かったことがある。それはこいつが天然の女たらしだということ。落ちた女の子の人数はそこまで多くはないが、それでもたまにいるのだ。ルシアの雄姿を見て惚れてしまう子が。地図にも載らないほどの小さな村では防衛設備が整っていないため、たまに魔物に襲われることがある。そんなときルシアが行くと要注意だ。あまり村から出たことがない女の子はその時の戦うルシアを見て物語の主人公とルシアをダブらせる傾向がある。……見た目だけなら悪役なのに。そして魔物を撃退したあと大体は村をあげての宴会が始まる。その時だ、その時に我先にとルシアの両隣の取り合いになる。この時ルシアも満更ではない顔をしていて、やたらムカついた覚えがある……今思い返しても腹が立つ。


 もし、私がルシアと結ばれたとしよう。だとしたら、私はルシアを繋ぎ止める自信がない。浮気なんてものはいくら一途な男でも酒の勢いや魔がさしたり落ち込んでいる隙を突かれると過ちを犯してしまう場合がある。そんな場面は幾度となくあることはギルドのおっさん達で、もう遠い昔から実証されている。何より討伐系というのは終わったあとも興奮状態が続くことが多々ある。昔戦争で興奮冷めやらぬ兵士達に商人が女を宛がっていた理由もその興奮を冷ますためだった。血を浴びるというのはそういうことだ。そして村娘は言うのだ「私の村に来てる間だけでも……」と。俗に言う現地妻とかいう奴だ。傭兵が村娘とでき易いのはこれが原因だと女性週刊誌に書いてあった。だとしたら何としてでも阻止しなければならない。ならばどうするか。そして私は一大決心をしたのである。


 一人で駄目なら徒党を組めばいいじゃない、と。


 知らない女に取られるぐらいならば仲の良いライバル達と共有したほうがマシだ。それにエルザ、ミラ、エバーグリーンと私がいればローテーションでルシアのクエストに着いて行くことができて抑止力になる。……ミラはちょっと厳しいかもしれないが、今更仲間はずれにするのもど
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