第19話 猫神様と黒い魔法使い(3)
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、どうしてっ! そんなにジュンゴに引っ付いてるのよ
こっこのっ、このどろぼう猫〜〜〜!!」
その顔は鬼女の名を冠するにふさわしい、まさに悪鬼、いや嫉妬の鬼のような形相。
そんな形相と共に、物理的な圧迫感さえ感じてしまう嫉妬の篭もった眼を向けた。
間近にいたアリサもすずかは、リリムのあまりの嫉妬のオーラに自分たちの怒りを中断させられ、唖然とした様子で彼女を見やった。
ユーノに至っては、遠くにいるのに「ひっ」と情けない声をあげる始末だ。
「にゃにゃ? しっけーにゃ、今のシャムスは猫は猫でもただの猫じゃにゃいにゃん!」
しかし視線を受ける方は純吾の頬から顔をはがし、ぷーっと頬をふくらます位で全く怯まなかった。
「そ、そうだよ。シャムスはただの猫だったはずだよ、どうしてそうなっちゃったの!?」
はっとしたかのようにすずかがリリーから視線を外しシャムスへと問いかける。
それに対して彼女の事を覚えていたのか、シャムスは頬を膨らますのをやめて嬉しそうに笑みを作った。
「にゃはは。シャムスにもよく理由は分かんにゃいけど、ジュンゴにゃんが助けてくれるまでシャムスの中には膨大な魔力が渦巻いてたにゃ」
ユーノの方へ笑みを向ける。その視線を受け、彼女の言っている事は正しいという風に何度も首を縦に振るユーノ。
「で、その魔力がジュンゴにゃんの使ってくれた魔法と最後の神酒。その2つによって暴走するだけだった魔力を制御して、体を作りかえる、って方向を与えてくれたにゃん」
「おかしいでしょそれ! 【アムリタ】はただ体の状態を治すだけのものであって、そんな説明信用できないわよ!?」
リリーが一歩踏み出し、その説明に即座に喰ってかかる。
目の前で純吾にベタベタひっつき、しかも自分に無いものをもっているシャムスは、はっきり言って彼女にとって非常に気に食わない存在だ。
しかしそれを「知らないのかにゃ?」と鼻で笑い飛ばした後、シャムスはさらに続ける。
「アムリタってホントは神様のお酒。それは飲む者に不老不死を与える、神様の力の源でもあるものにゃん。
たとえ名前だけを借りたものとはいえ、元々あった魔力を使えば猫だったシャムスに神性を持たせる事くらいお茶の子さいさいにゃん」
そう説明し終わると、また目を細めて嬉しそうに純吾に頬擦りをし始める。
再びビクッとなる純吾に、ビシィッ! と青筋を立てる女性陣。
だがやはりシャムスはそんな事を気にせず、一度ギューっ、と頬と頬を強く押し付けあう。
そして顔を離してすずか達の方を向き、いたずらが成功したような嬉しげな顔をして言うのであった。
「と、言う訳で。今のシャムスはただの猫じゃにゃくて、神獣バステト。
みんにゃ、
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