後日談8 加藤家、ライブに行く
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「って事でライブに行くことになったっス!」
クリスマス前日の夜、アイドルグループ、CUVEのチケットを持ったウェンディが不意にそんな事を言った。
「ああ、行ってこい」
「私達はクリスマスはのんびりしてるからさ」
「何言ってんスか桐谷兄、ノーヴェ!ライブっスよライブ!!しかもCUVEの!!」
「「興味ない」」
「あああああ!!セインも何か言ってやれっス!!」
「あっ、私も行かないから」
「かはっ!?」
と血を吐き出すウェンディ。
当然血では無い。
割りと日常茶飯事な出来事なので加藤家全員スルーしていた。
「そんな………せっかくのクリスマス………みんなで楽しもうと思って一生懸命頭を下げ、無理してドリルに貰ったのに………」
と涙目でそう言うウェンディ。
いつもの口調も無く、ウェンディらしくない言動にその場にいた皆が戸惑った。
「良いよもう、私1人で行くから。みんなはみんなで楽しんでて………」
そう言ってウェンディは自分の部屋に戻っていった………
「流石に可哀想だったかな………?」
「セイン甘いぞ、あんなの演技に決まってる!」
「だけど涙を浮かべてたよ、ノーヴェ」
「でもさ………」
そんなセインの言葉に心が揺れる桐谷とノーヴェ。
いつも何かを企むウェンディだが、今回はライブと言うこともあり、見て楽しむもの。
ウェンディが問題を起こすことも無いだろう。
そう思うと、今回の事はウェンディの家族を思っての事では無いのかと思える。
「………まあせっかくタダでライブも見れるんだし、折角だし行くか!」
そう結論づけた桐谷はウェンディの提案に乗ることにした。
「うん、そうしようよ」
「まあ仕方がないか………」
桐谷の提案に乗る2人。
「じゃあ早速ウェンディに言ってくるか」
その後、ウェンディは嬉しさのあまり、桐谷に抱きついたところをノーヴェに見られ一発拳骨を落とされたのだった………
「ちょろいね」
「ちょろいっスね」
「やって来たっス東京ドーム!!」
ライブは東京ドームでやるらしくやって来たのだが………
「凄いな、ファンの数………」
ドームの前にはハチマキを付けた、いかにも親衛隊らしき集団が多くいた。
東京ドームでやる辺り結構な人気はあると思っていたが、これほどとは知らなかった。
「なあ桐谷、どこか移動しないか?ここにいたくない」
「私も………」
親衛隊の雰囲気に嫌悪感を抱いたのか、違う場所に行こうと提案するセインとノーヴェ。
………他のお客さんがいないのはもしかしてこの場に居づらいからか?
「桐谷、私達もあんな格好するのか?」
「いやしないし、しかももっと
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