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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#21 "All work and no play makes Jack a dull boy"
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。
その時が来たらな」
二人は特には何も言わなかった。
とても納得したとは思えんが、まあ仕方ないだろう。
不吉な予言をするものはどこの世界でも嫌われるものだ。
この場で首を斬られないだけマシと思おう。
「それで、お兄さん」
「もう一つのお話って?」
尋ねてくる二人の顔を改めて見つめる。
産まれてから今まで片時も離れた事がないであろう双子の顔を。
髪の長さ以外はその全てを共有しているとしか思えない二人のあどけない笑顔を。
「君達はずっと一緒にいるべきだ」
そんな二人を見ながら俺は淡々と言葉を紡いだ。
"彼"と"彼女"にとっては至極当たり前な、今さら聞く必要もないであろう言葉を。
「どんな時も離れちゃいけない。
どんな時も、だ。
もし君達がバラライカを怒らせて、逃げ出さなくちゃいけなくなった時も。
全てを終わらせてこの街を出ていく時も。
何もかも上手くいかなくて、どうしようもなくなった時も。
君達二人は離れちゃいけない。必ず一緒にいるんだ。
必ず、な」
二人は変わらず微笑んだままだ。
そんなことは分かってる、当たり前すぎて頷く必要もない。
そんな風に思っているのだろうか。それは二人にしか分からない事だが………
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