第一部
死と共にはじまるものは、生である
芽吹いた孔雀草
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デイダラといえば金髪丁髷だろ?と心の中で呟いた
狐火が頬を撫でてくる
何の慰めにもならなかった
「・・・あっ
一発殴るの忘れてた・・・」
◇
港町へと至る長い街道
足取り軽く等と言えぬ状況に陥っている
俺の後方を歩く覆面の男性、もうじきすぐ傍まで近づくだろう
歩幅の差が恨めしい
足音に気づいたときに振り返ったあの瞬間
肝が冷えるどころではなかった
思わず首に手を当てて、今は消えさった絞め跡をなぞる
後ろを歩く男は暁の角都だった
(何なんだよお前S級犯罪者だろうせめてデイダラみたいに少しは変装しろよふざけんな怖い!)
肩に担いだアタッシュケースがより恐怖を際立たせる
あれか賞金首を換金されたんですね?
走り去りたいが一本道の街道で、まだまだ道が続くこの街道で逃げ切れるわけがないだろう
せめて飛段がいないのが救いだろうか・・・
・・・そういえば湯隠れの里の飛階のおっちゃん、飛段に似てたな・・・
・・・まさか親族か!?
思わず肩が震え、抑えるように両手で抱き締めた
「そう怯えることはない」
声をかけられた
何故話しかけてきてるんだお前は
沈黙は金なりという偉大な言葉を知らないのか!?
汗をかきながら黙っていると悩みだされた
俺のほうが悩みたい
「ふむ・・・そう怖がられると困るな・・・」
困られてもこっちが困りますぅ!
距離を取ろうと早歩きで行くが・・・全く距離は変わらない
何だと言うんだ
「・・・何か御用でしょうか・・・」
「あぁ、少し協力して貰いたくてな
駄賃はやろう」
協力?と聞き返す間もなく、俺は首根っこを引っ掴まれ後方に投げ飛ばされた
衝撃に備えて可能な限り受け身の態勢をとるが、地面ではなく、誰かにぶつかった
あれ?
「うわっ!・・・くそ、ばれたかっ」
茂みに隠れていたゴロツキらしき男たちは刀を抜き、臨戦態勢にはいった
ちなみに多分リーダーであっただろう男はぶつかった拍子に気絶しており、子分たちが必死に揺り起そうとしている
角都は囲まれても悠然と立っており、ゴロツキなど眼中にないようだ
(・・・俺、投げる必要あったか?)
意味のわからない行動に目を白黒させているうちに、角都対ゴロツキ集団は勝敗を決し、あたりは血の海になった
噎せ返るような血の匂いに眉を顰める
いくら自分の血に慣れていると言っても、これだけの血は耐えきれない
気絶から回復したリーダーも復帰してすぐに心臓を貫かれて死亡していた
「・・・ふむ、一文にもならん雑魚め」
返り血を浴びて手帳を確認している
恐らく賞金首について書かれた手帳だろう
「あぁ、悪かったな
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