第一部
死と共にはじまるものは、生である
芽吹いた孔雀草
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声をかけるとダラーは身を正し、真っ直ぐこちらを目で射抜いた
「・・・コン、聞きたいことがある・・・うん」
おまえは、忍か?
そう問いかけられ、少しばかり悩む
自来也に修行をつけてもらったとはいえ、忍者登録も、アカデミーにも入学していないこの身
忍かと聞かれれば否と答えるしかないだろう
首を横に振ることで答えた
「なら!
お前のあの、爆発痕、誰にやられた!?」
血気迫る表情とはこのことか
肩を掴まれ問い詰められる
着替えのときに視線が感じると思っていたけど・・・
ここで素直に暁のデイダラです、と答えると何故暁を知っているのかと大変ややこしい状況を引き起こしそうだ
悩みに悩んだ俺の答え
「爆発に美を見出した芸術家にやられました」
誤魔化したようで誤魔化し切れていない、分かる人なら分かる特徴を告げてしまった
・・・まちがってねーもん
「・・・やっぱり、芸術は爆発なんだな、うん!」
しばらく震えていたダラーは顔を上気させて喜んでいた
なんだろう、この同士発見とでも言いたそうな目は
・・・そういやダラーってどっかで見たことがあるような・・・
「その芸術家はどこの誰だ?!オイラぜひ会いたいんだ、うん!」
悩んでいる最中に邪魔される
「あー・・・もう(この世界には)いないんだ、ごめんな」
嘘はついてない
「そんな・・・っ
・・・そいつの最期の作品はコンってことになるのか・・・」
意気消沈してぶつぶつと呟きはじめた
こいつ怖いな
「・・・なぁコン、芸術といえば?「爆発です」・・・その通りだ、うん!」
お前は芸術を分かってる!そう肩を叩かれながら叫ばれた
叩かれた拍子に吐血したがごく自然に拭われた
自来也といい、ダラーといい、俺の看護要員はレベルが高いな、うん
おっと、口癖がうつった
・・・うん?口癖?
引っかかる、何かが引っかかる、だが、まさか・・・
「よし、オイラもこうしちゃいられない、誰にも負けないアートを作り出してやるぜ
勿論、コンに負けないぐらいのだ、うん!」
笑いながらポニーテールを結い直し、丁髷にしたダラー
・・・段々と記憶の中にある人物を彷彿とさせるような・・・
「コンだから教えてやるよ、オイラの本名はデイダラだ
覚えておきな、いつか爆発の芸術家として名を上げてやるからな、うん!」
・・・それからの会話は、良く覚えていない
混乱した頭で旅の無事を祈って別れた
デイダラと商隊が去って行った方角から、爆発音が聞こえてきた気もするが無視だ
港町へ至る街道を歩きながら頭を抱える
「・・・だって金髪じゃなくて黒髪だったから・・・」
誰に聞かせるわけでもない言い訳を繰り返す
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