第一部
死と共にはじまるものは、生である
芽吹いた孔雀草
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立ててやる
「「・・・・・・」」
途端に顔色を青くした2人が後方を指さす
うん、何か威圧感があるね
「なぁ、コン
兄ちゃんとちょっとお話しようか・・・うん」
力強く肩を掴まれる
2人に助けを求めようと視線を向けるが逸らされる
「仮にも兄ちゃんの粘土なんだから臭いで気づいてもらいたい」
なんで食べたの?とでも言うようにふんぞり返って告げる
我ながらムカつくな
「お前の血の匂いで分らなくなったんだ、うんッ!!」
食べたことない菓子だからそういうもんだと思ったんだよ!とヒステリックに叫ばれ拳骨を落とされる
袋に入れた時点で血の匂いが充満してしまったのか
いつも自分自身が血生臭いから気にも留めなかった
ひらひらと下忍たちに手を振って馬車のなかへ戻ることにした
「兄弟アピールは出来たんじゃない?」
ダラーに向き直り、マカロンを渡す
「うん?!お前そんなこと考えての行動だったのか?」
素直に受け取って口直しに食べ始めた
吃驚したような関心したような、目が輝いている
「いや、ただの暇つぶしなんだけどな」
「お前嫌いだ!うん!」
残りのマカロンを奪い取られ、やけ食いされる
味は気に入ったらしい
俺のおやつが・・・
落ち込んだが、これでなにかあったときの看護要員を確保できたと思えば安いものだ
周囲に兄弟と触れ込んで馬車に乗ったんだから、弟の面倒ぐらい見てくれよオニイサン?
◇ダラー◇
酷い目にあった
傍らで粘土をこね続ける自称・18歳から目をそむけ、不平を飲み込んだ
確かに、この子供にしてはやけに大人しく、かといって大人だと断言できないアンバランスさは青年と言っていいだろう
任務でなければ声など掛けなかっただろうに
路傍の石と同じ存在を何故気にかけてしまったのか
いまさら悔やまれる
そもそもS級犯罪者として名をはせた自分が気にかけるなど有り得なかった
任務の遂行に必要だと感じたが故の、行動だったのだと自分に言い聞かせる
(・・・七面倒臭い任務押しつけやがって・・・)
変化でなく染め粉で黒くした髪を弄る
脳裏に任務を言い渡したリーダーの顔が浮かび、無性に腹立たしい
?雷の国に本拠地をおくテロ組織の補給商隊の割り出し及びその壊滅?
組織の末端であるこの商隊を尾行するのではなく、商隊所有の馬車にこうも安々と潜入出来るなど思ってもみなかった
2,3日もしない間に幹部クラスの商隊と合流するとの情報もある
気づかれないように尾行する手間を思えば随分と楽だ
組織の末端も末端、普通の商隊と変わらない
忍びや護衛を雇う金の無い人間は皆、商隊を頼り旅をする
この商隊にもそんな人間た
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