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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#20 "I follow my heart and intuition"
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。お前がもしも何か知ってるんだったら協力してやったらどうだ?
今は街全体がピリピリしてやがる。
これじゃあ俺達の商売にも差し支えが出るってもんだ。
何も知らねえってんならしかたねえが、お前だったら小さな情報でも掴んでじゃねえか? 旦那だって本当はそれが目的だったんだろ」
自分自身が信じてねえ言葉でも時には言わなきゃならん時もある。
旦那の本当の目的なんざ俺には分からねえ。
だが、このままほっときゃ際限なく続きそうだったんでな。
チョイと割り込ませてもらったぜ。
「知ってる事など特にはないが、気になってる事ならある」
壁際でゼロが口を開く。俺も旦那もそちらに顔を向け、ゼロの話に耳をかたむけた。
「アンタのとこの部下がどの程度"使える"やつかは知らんが、街は今こんな状態だ。
当然警戒くらいはしてただろう。
いくらホテル・モスクワの関係者ばかり狙われてるといっても、自分達が絶対に安全ってわけにはいかない。
逆恨みで狙われる事もあるし、犯人が標的を変える可能性もある。
実際にアンタの部下は殺られたわけだしな。
まだ正確なところは分からんが、仮に同一犯だとしたらソイツは手を広げ出したんだろう。
ただやけに手際が良すぎないか?
隠れる方法は措いておこう。それは今考えても分からん。
俺が引っ掛かってるのはソイツがどう標的に近付くかだ。
話を聞く限りじゃ遠距離からの狙撃ってわけでもないんだろ?
あくまで標的に近付いて殺してる。
じゃあ、ソイツはどうやって標的に近付くんだ?
こんな状態じゃあ知らない顔が近付けば、より警戒されるぜ。
じゃあ、知ってる顔、つまり身内か。これも考えにくい。
三合会内部での対立というなら、アンタはこんなとこに来ない。
見内の恥を晒すようなものだからな。
あくまで外部の人間が殺ったとアンタは確信している。
じゃあ何故アンタの部下は見知らぬ外部の人間をみすみす近付けてしまったんだろうな。
どう思う? ダッチ」
ちっ。突然話を振るんじゃねえよ。
大人しく聞いてやってりゃ急に此方に話を降ってきやがった。
「……俺がヴェトナムで戦ってた時の話だ」
唐突な問いに戸惑いながらも数瞬の間を置いて、俺は二人に向けて話し始めた。
チョイとした"昔話"を。
「あの糞ったれな戦争で一番厄介だったのは誰が敵か分かんねえって事だ。
例え一つの村を占領して、ゲリラどもを追い払ったとしてもそれで終わりじゃねえ。
村に残されんのは老人や女子供。力の弱い連中ばかりだ。
ただ、だからといって安心してりゃあ不意に襲われる事もある。
ゲリラどもが戻って来たんじゃねえ。
村に残ったガキどもに襲われる事があるんだ。
ゲリラに習ったのか、見様見真似かは知らねえが銃をぶっ放して
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