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木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・火影編<中編>
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っている」
「それでは、御案内致します!」

 護衛を兼ねた一行に声をかければ、何とも頼もしい返事が返って来る。
 軽く深呼吸して、私はマダラと共に土影殿が待つ建物内へと足を踏み入れた。

*****

「――――では、これより先は私の仕事ですわね。皆様、お下がりくださいな」
「頼んだよ、ミト!」
「勿論です、柱間様」

 凛然とした返事に、張っていた肩を軽く落とす。
 今回は前に交戦した七尾と違って、最初からマダラが味方してくれただけあって、結構楽に話は進んだ。
 尾獣相手に戦って、大きな怪我も無く済ませる事の出来る忍びなんて数人しかいないだろうね。
 その数人の中に自分が入っていると思うと……思えば遠くに来たもんだなぁ。

「残念だったなぁ。上手くいけば戦わずに済むと思ったのに」
「力しか持たぬ獣相手に何を言っている。あれらは会話が通じる様な相手ではなかろう」
「そんな事無いさ。今回は上手くいかなかったけど、今度彼が正気を保っている時にでも話をしてみる。その時はきっと、上手くいくさ」

 九喇嘛と数年話していて気付いたのだが、尾獣と言う存在は少々不安定な存在らしい。
 そのせいで時折堪え切れない破壊衝動に襲われはする。けれども、そうでない時は話が通じる存在なのだ。
 今回の四尾や前の七尾の様に人の血の匂いに酔ったり、破壊衝動に支配されている時は兎も角、全く最初から言葉が通じないと判断するには早すぎる。

「以前にも見せてもらった天狗型の須佐能乎だけど……どうにも上手く扱えないみたいだな」
「……九割五分は完成している」
「けど、未完成なんだろ? 多分だけど、あまりにも膨大なチャクラを必要とするせいで、写輪眼だけでの制御は難しいみたいだな」

 単純に攻撃だけに限定するのであれば、剣の一振りで山脈を両断する天狗型は申し分無い。
 けれども一定量の限界を越えた攻撃を受けてしまえば、あのチャクラの塊は簡単に揺らいでしまう。

「それにあの力は生身で扱うには少々リスクが高すぎるみたいだし……今後あまり使用しない方が良さそうだな」
「……フン」

 鼻を鳴らしたマダラから視線を逸らして、遠くに見える四尾へと意識を向けた。

「にしても、四尾の毛並みって、綺麗なアカイロをしているよな。猩々緋っていうのは正しくあんな色を指すんだろうなぁ」

 うっとりと呟けば、手にした団扇を背中に戻したマダラが仏頂面で私を見つめていた。
 こいつ口数少ないくせに、視線と態度だけで全部分かってもらおうとする癖があるから面倒くさい。
 何が言いたいんだよ、と目で促せば、ややあってからマダラが口を開く。

「貴様……。――あの様な不安定な存在に対して、本気でそのように思っているのか?」
「本気だとも。美
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