ALO編
七十六話 断ち切られる絶望
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仕返ししてぇだろ?」
にやりと笑って、そう言った。
「……正直、そうだな……」
そう言って、キリトは立ちあがると、剣を取る。引き抜き、まっすぐに切っ先を須郷に向ける。その顔はどこか悔しそうだったが、同時に小さな微笑みも浮かべていた。
「おう。遠慮せず良いとこもってけ」
「いや、それはもう兄貴が持ってった」
はぁ。と小さな溜息をつくキリトに、リョウはより一層楽しそうに笑う。
「ま、そう言うなって。王様に剣向ける勇者とか、絵的にも面白いじゃん?」
「はいはい。さてと……」
「こ、このガキども……どこまで僕を馬鹿に……!」
「あ、そだ。システムコマンド。ペインアブソーバ、レベル0に変更」
「なっ!?」
驚いたように目を見開く須郷に、リョウはニヤニヤと面白がるような笑顔を向ける。
「さ、これで白黒はっきり付けられるぜ?頑張れ須郷ちゃん」
「く、くそが……この糞ガキどもがアアアァァァァァ!!」
突然、須郷が剣を大きく振り上げ、キリトに向かって踏み込むと一気に振り下ろした。
存外、素人にしては良い踏み込みだ。まぁ破れかぶれになって恐れが薄くなっているだけだろうが。
「……!」
それを右手の大剣でキリトは受け止め……
「ふっ!!」
一気に弾く。
すると急な力のベクトルの変化に耐えきれず、しっかりと剣を握っていなかった須郷の手から、エクスキャリバーが飛ばされる。
容易く飛んだその剣は、数回転したのち、闇のかなたへと消えた。
「あーあ。せっかく呼び出してやったってのに……」
そうリョウが呟いたのと同時に……
「っらぁ!」
一気に踏み込んだキリトが、須郷に向かって剣を振り下ろす。反射的だったのだろう。須郷は腕を掲げて出来るはずも無いのに防ごうとし……当然のように、腕を斬り飛ばされた。
「アアアアアァァァァ!!腕が……僕の腕がぁああああ!?」
「うっわ、痛そー」
血こそ出ないものの、痛み自体は何者よりも純粋な「痛み」そのものだ。おそらくは相当痛いだろう。
キリトの連撃は止まらず、そのまま今度は須郷の胴を薙ぐ。当然、やたらと均整のとれた体は真っ二つになり……
「グボアアアァァァァァァァ!!!」
またしても須郷の甲高い悲鳴が上がった。
「うっさ……」
面倒臭くなって、リョウは欠伸をしながらその姿を見つめる。
下半身のみが消え去り、上半身のみになった体で、須郷は悲鳴を上げ続ける。はっきり言って非常にやかましい。
キリトはそのままその上半身を持ち上げ、空中に投げると……
「おォォ!!」
落ちてきた須郷の右目に思い切り剣を突き刺し、須郷は最後まで悲鳴を上げながら、消失した。
「ふぅ……」
小さくつく溜息。
「お疲れさん」
「あぁ……」
「んじゃほれ。
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