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IS  〜インフィニット・ストラトス 漆黒と純白と紅の狼〜
目覚める双牙
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けられる理由は……………………経験が違うんですよ」
「経験が違うだと?」
「真紅狼は殺気や殺意を感じることが出来るそうです。その為、ああやって避け続けることが出来るんですよ。無意識の内に殺気………この場合、敵の攻撃を咄嗟に把握し、回避する。それを無意識の内にやってるんです。だから、ほとんど自身の感覚ですよ。ハイパーセンサーは使っていないみたいです」
「ハイパーセンサーを使っていないだと………? そんなバカな!! ただの人間じゃそんな芸当は出来んぞ!?」
「だって、その感覚を掴める理由は………………暗殺者の業らしいですから」


俺は驚いた。
真紅狼が暗殺者の出の人間だったなんて。
さらりと新事実を述べた後、彼女はマイクを掴んで真紅狼に向けて喋る。


「真紅狼、様子見(あそび)はそこまでにしなさい」
『もうちょっと様子見(あそび)たかったがしょうがない』
「お客さんが白けてるわ、白けない様にうまく運びなさいよ」
『それもそうだな。なら、そろそろ反撃しますか。アイツの力はほとんど見切った』


そう言って、真紅狼は四機のピットからかなり離れた場所まで下がり、セシリアに向かって叫んだ。


『どーだ、セシリア・オルコット? 俺のダンスは?』
『ちょこまかと避けてる癖に!』
『オイオイ、お前が踊れって言ったんじゃないか。それに曲を奏でられたら踊るのが踊り(ダンサー)の役目ってもんだろう?』
『この…………!』
『やめとけよ、お前の仕種、攻撃方法、弱点は全て分かった。故にここからは真面目にやらせてもらおう』
『“真面目”ってことは、貴方………今まで本気ではなかったの!?』


セシリアの叫び声に観客もざわつく。


『あー、今のは様子見(あそび)だけど? こっからが本番だ』
『この私をどこまで舐めれば気が済むんですか!!』
『なら、舐められたくねぇなら最初から本気出せや! お前が本気を出さなかったから、俺もそれに応じただけ。それのどこが悪いんだ? 言ってみろ!』
『くっ!』
『さて、この機体はな、ある謂れがあるんだよ』


真紅狼はゆっくりとしかしはっきりと全員の頭に刻み込むように謳う。


『“深淵の闇に潜む、爪牙を研ぎし――――――――絶望の化身”ってな。 さぁ! 魅せてやるよ、オルガロンの力を!!』


そこから真紅狼の姿は一瞬で消えて、セシリアの目の前に迫っていた。
〜一夏side out〜


真紅狼って一体何者なんだ?
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