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魔王の友を持つ魔王
§小ネタ集part2
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も家族の役に立てるように、マモンの権能で得た財産を換金し渡す。といっても現金数百万を稼ぐ高校生など目立ちすぎてしょうがないので、宝くじが当たったことにしているのだが、流石にやりすぎたか。義妹が呆れた目でこちらを見てくる。

「何等だったっけなぁ。そんなこと忘れたよ」

「お父さんとお母さんの稼ぎより黎斗の宝くじの方が稼ぎが良いわねぇ」

 義母も苦笑いを隠さない。春と夏だけで一千万近くを当てているのにこの対応。これは器が大きいと言えるのだろうか。少なくとも選んだ家族が強欲まみれでなかったことは幸運だった。

「運が良かったんだよ」

「運、ねぇ。私、最初はお兄ちゃんが犯罪でも始めたのかと思ったけど、犯罪に走ってもこんな額なかなか貯まるはずないし。ホントお兄ちゃん神がかってる運だよね」

「お義兄様をなんだと思ってるんだ…… 犯罪なんかしませんよ」

 真っ当な稼ぎか、と言われれば疑問符が付くが犯罪には接触していない筈だ。相場より若干安値で宝石を市場に流しているのでその筋の人間にとってみれば不倶戴天の敵かもしれないが。

「黎斗、お客様。玄関で待っていらっしゃるから早く行っておあげなさい」

 そんな兄妹のじゃれあいの中。義理の祖母、もとい祖母の呼びかけに応じ、玄関まで出た黎斗を迎えたのは予想外の人物だった。

「媛さん……? な、何故に……」

 玻璃の媛は涼しげな声でクスリと笑う。

「お久しぶりです、黎斗様」

 黎斗より早く、二人の人物が素っ頓狂な叫びをあげる。

「「れ、黎斗様ぁ!?」」

「義父さんも母さんも煩い。近所迷惑でしょーが」

 振り返れば義妹は口を金魚のようにパクパクさせ、声を出す様子は全くない。

「媛さん、人が悪いぞ。らしくない。こーなることくらい予想していたでしょ?」

「申し訳ありません。早期に隠密かつ確実に黎斗様に接触する方法がこれ以外に思いつきませんでした」

 念話でここまで言われればいくら黎斗とて重大用件と気づく。この距離でなら念話の盗聴もまずされないだろう。

「……おっけー。部屋に行こうか。僕の部屋で良い? お茶くらい出すよ」

 階段を上っている最中に下から「お、お兄ちゃんが亜麻髪美人の彼女を連れてきたー!!」などと悲鳴が聞こえるが、聞こえないふり。嗚呼、今日の晩御飯が怖い。みんなから尋問されそうだ。

「申し訳ありません。幽世(あちら)の黎斗様のお部屋を掃除させて頂いたのですが、黎斗様の権能を記載した用紙が紛失しております」

「部屋……あーギャルゲエロゲ乙女ゲーで足の踏み場がない状態だったのに。って、は、入ったの!?」

 女性に入られたらアウト確実な部屋である。下手したら男性でも引く
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