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魔王の友を持つ魔王
§小ネタ集part2
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れているというのに。今回は相手が精神攻撃系だったので物理被害がほとんど無く、魔術組織への隠蔽工作も楽に終わったのが救いだった。被害者全員の記憶が無いおかげで黎斗がした隠蔽工作など必要最低限でしかない。しかし一難去ってまた一難。もうウンザリだ。このエンカウント率はおかしい気がする。

「多分寝不足だよ。昨日遅くまで眠れなかったし」

「……夜コッソリと外出してお姉さまとよろしくやってなかっただろうな!?」

 なぜそうなる、と事実無根な反町の問いに言い切れなかったのは悪魔狩りに外出していたからで。ばれないだろうと思っていた事実が一部あっけなく露見したことに黎斗はわずかに動揺する。

「アホか、反町。黎斗がそんなことするワケねーだろ、と冗談は置いておいて、風邪引いたらお前親御さん心配するだろ? 早く治せよ?」

 絶妙のタイミングで援護してくれた高木が居なければ、事態は更にややこしくなっていただろう。

「ありがと、そーするわ。みんな心配性だからねぇ」

「ま、長男が一人で上京してくれば心配するのも当然だろ。むしろオレは黎斗一人を都会に送り出したことに驚くぞ」

 家族が居ないままではマズイと考えた黎斗が記憶改竄と洗脳の呪術を用いて偽造家族を作り出したのが、飛行機に乗る数日前。記憶改竄をミスったのか元からなのかはわからないが、親の黎斗に対する想いが重い。これが本当の家族なら気にならないのだが、偽りであることが黎斗の良心を刺激する。

「せめて立派な長男を演じないとな。あと仕送りか……」

「あ? 黎斗なんか言ったか?」

「んーん、なんでもないよ。大丈夫。北海道の土産も郵送するかな」

 今、委員会で自分の正体が論議されているとも知らずに、黎斗はお土産コーナーへ歩き始めた。知らぬが仏とはこういうことを言うのだろうか?










≪お盆≫

「あーづーいー」

「お兄ちゃんだらしないよ」

「そう言ってやるな。都会のクーラー生活に慣れた黎斗にこの大地は辛いだろうさ」

 お盆。実家に戻った黎斗は熱気に負けて倒れていた。扇風機の前でグダグダしている様は、とてもじゃないが恐れる魔王に見えない。扇風機に向かって「あ”〜」などと言っている神殺しが見れるのは後にも先にもここだけだろう。ちなみにエルはお留守番。連れて行こうとしたのだが「私をまたリュックに押し詰める気ですか!?」とキレられて断念したのだ。

(洗脳してなきゃホント寛げるんだがなぁ……)

洗脳していることによる罪悪感がひしひしと募り、心があまり安らがない。

「あ、お父さん。はい、コレ宝くじ当たったからお裾分け」

「また!? お兄ちゃんどれだけクジ運良いのよ…… 今度は一体何等?」

 少しで
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