§小ネタ集part2
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学期始まっているし学校帰りの方がいいかな」
甘粕が無事に帰ってきているのだから、相手はそれほど気性の荒い相手ではないのだろう。もし彼がヴォバンに代表されるカンピオーネのような存在ならば、甘粕は今頃墓地にいるはずだ。古老の関係者なのだからこちらに害をなさないだろうという予想もある。ならば彼の暴挙の謝罪を兼ねて直接会ってみた方が早いかもしれない。そんな決意を、甘粕はいとも容易く打ち砕く。
「ひどいですねぇ。人をダシにするなんて。あぁ、彼今居ませんよ。友達に引きずられて昨夜北海道へ旅立ちました」
「北海道?」
「なんでも夏休みの続きだとか。昨夜散々メールで愚痴ってましたねぇ」
「……メール?」
「はい。私お茶した時に彼とアドレス交換したんですよ。ハマってるゲームの対戦もすることになりましたし。言ってませんでしたっけ?」
「……なんかもういいよ」
ここまで相手の懐に潜り込めた甘粕を称賛すべきなのだろうが、素直に称賛できない馨だった。目の前で「吹雪? ……やっぱ冷凍ビームですかね。特性はシェルアーマーか」などと言い出した男を見れば、しょうがないのかもしれない。
「だが、これで他組織には一歩リードかな」
黎斗はカンピオーネとは違う。警戒しすぎる必要もないとわかってはいるのだが、サルバトーレ・ドニと打ち合える程の手練れを野放しにしておくのは危険すぎる。当人にバレないように首に鈴をつけるのなら、甘粕のやり方が一番良いのかもしれない。何より、これから先彼が神を殺める可能性は非常に高い。日本に二人目のカンピオーネが現れれば万々歳だ。正史編纂委員会が強大なパイプを持つ神殺し、というのは他の魔術結社に対し優位に立ち回ることを可能にしてくれるだろう。草薙護堂との仲も良好。なんとまぁ、おあつらえむきではないか。
「こんな考え、お偉いさまに聞かれたら怒られそうだけどね」
一応繋がりを強固にするために甘粕だけでなく愛人も送っておくべきか。年頃の男子なら美少女をつければ一発だろう。ハニートラップ万歳。
「って、恵那が居たんだっけ。じゃあ十分か。……ふふっ、しかし我ながら罰当たりな事考えてるなぁ」
あとは、水羽黎斗が神殺しとなるのを待つばかり。そんなことを考えながら沙耶宮馨は一人苦笑する。
「へくしっ!」
「なんだなんだ黎斗、風邪か?」
「待て、反町。そんなことあってたまるか。ここで風邪引いたら新学期そうそうにピンチじゃん…… 噂だよ噂」
「こういう時の噂ってのはロクな噂じゃねぇぞ、きっと」
名波の言うとおりだと黎斗も思う。嫌な予感がビンビン来ている。虫の知らせというやつだろうか? こちらは昨夜敵さんと戦って疲
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