§1-? 数百年前
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力ではない、正真正銘、生命を従え制御する術。更に蘇った命は寿命の楔から解き放たれる。古来より幾人もの権力者が渇望した、秘術。それがヤマのもう一つの力、”偽りの灯火”。
とくん、と既に止まった心臓が再び鼓動を始める。むくりと、起き上がりこちらを見つめてくるキツネ。失った足もどういう理屈か取り戻している。どうやら完全な状態での蘇生を可能とする権能のようだ。
右手を動かして撫でようとして、失敗。右は壊死していることをすっかり忘れていた。気を取り直して、左手で撫でる。チロッと舌を出して嘗めてくるキツネに、思わず笑みが零れた。なんか気が合いそうだ。今まで一人旅だったし、こいつをこれから相棒としようか。村へ連れて行く道中に交渉してみよう。
真夏の正午、少年が一人砂漠を歩く。フード付きローブの下はジーンズとパーカー。この時代には有り得ない服装だ。少し後ろを、一匹の狐が追いかけてくる。カイムの権能を完全に掌握し、動物とも会話できるようになったのはこの時のことだった。
これは、過去の物語。一人の神殺しが、相棒を見つけた時の昔話。
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