§1-? 数百年前
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消去されていく。ある程度消去耐性を持つ強大な鬼ですら、黎斗まであと数歩というところで崩れて消える。それでもヤマは召喚を続ける。
「舐めるなぁ!!」
ヤマが採ったのは、強靭な再生能力に物を言わせた突撃。本来ならば瞬時に再生する肉体も、邪眼のせいで速度が鈍い。しかしいくら身体が引き裂かれようと再生するのだ。こちらが限界を迎える前に黎斗を殺せばいい。単純であるがもっとも効果的。普段、このような戦法をヤマはとらない。呪力の限界が早く来るからだ。更に彼はアテナ達と異なり闘神では無い。純粋な戦闘能力ならば彼女たちの下に位置するだろう。しかし今回は話が別。このままではジリ貧なのだから、肉を切らせてでも骨を断つ。彼の得意とするのは眷属大量召喚と瘴気放出。黎斗との相性は最悪だ。片っ端から消去されてしまう。それゆえの、突撃。
「……ちっ、まだ再生すんのか。ロンギヌス!」
舌打ちと共に召喚するは、神殺しの槍。ヤマが間合いに入った刹那、右手が煌めき敵の心臓を貫く。そのまま蹴って相手との距離を引き離す。左手の指先から糸が舞い、更に四肢を寸断した。
「まだまだぁ……!」
「……マジ化け物だろ、オイ」
接近してくるヤマをロンギヌスで突いてまた殺しながら、辟易とした声で黎斗が呟く。何度殺そうが甦り襲ってくる様は軽くホラー。手持ちの糸はもう無い。さっきの攻撃でとうとう耐久が限界を迎え自壊した。いくら丈夫でも聖遺物たるロンギヌスと異なり限界がある。これで、残る得物はロンギヌスのみ。
「捕まえたぞ!」
焦る両者が何時間と戦う中で生まれたほんの一瞬の隙。その隙をヤマは制することに成功する。乱戦の最中、ヤマの右腕が黎斗を掴む。黎斗を掴む右腕から、ヤマは生命力を奪っていく。神殺しの呪術に対する絶対的耐性を持ってなお、壊死を始める黎斗の肉体を前に彼は陰鬱な声で嗤う。
「……やっべ」
咄嗟にロンギヌスでヤマの右腕を破壊、脳天を潰し素早く距離をとる。が、肉体の壊死は大きい。今の僅かな一撃だけでだいぶ呪力も奪われた。内臓までやられなかったのは不幸中の幸いか。数秒遅かったら、喉だけでなく心臓や肺まで壊死していたかもしれない。紙一重の幸運に感謝し、黎斗は気を引き締める。
「我は無知なる闇の神! 怒りに震えし邪悪の化身!」
言霊と共にアーリマンの力を発動。右腕を邪気化、死の波動を収束し解き放つ。螺旋を描く死の風を相手に直接叩きつける!
「効かんなぁ神殺しよ……!! あはははははは!!」
「くっ、やっぱ無理か……」
平然と嗤うヤマ相手にやはり、と言った表情で邪気化を解除。ロンギヌスで接近してきたヤマを吹き飛ばす。「最初に死んだ」という名を持つ神に即死系攻撃が無効だったのは当然というべきか。死人
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