第八十七話 アシカ作戦
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が出ると何かと騒ぎになるからな」
「それは御前がギレン=ザビにならない限りは大丈夫だ」
「ギレン=ザビか」
「だがクワトロ=バジーナならばいい」
「そしてキャスバル=ズム=ダイクンでもなく」
「そういうことだ。俺も御前も昔みたいに前に出る必要はないがな」
「いい時代に進んでいるということかな」
「何言ってるんですか、中佐」
だがそんな彼等をチェーンが窘めた。
「チェーン」
「中佐にも大尉にももっと活躍してもらわないと。只でさえうちは激戦地にばかりいるのに」
「おいおい、これでも頑張っているんだぞ」
「もっとですよ。さもないと戦いが終わりませんよ」
「つまり楽にはならないか」
「難儀なことだな」
「そうです。だから御二人にはもっと頑張ってもらいますよ」
「了解」
アムロは苦笑いと共に応えた。
「それがわかったら出撃準備です。中佐、すぐに着替えて下さい」
「ああ、わかった」
アムロはそれに頷いた。
「大尉はサザビーに入って下さい。出撃命令が出たらすぐに出て下さいね」
「了解。チェーンはしっかりしているな」
「そうでなくてはメカニックは務まりませんので」
にこりと笑って言う。
「宜しく御願いしますね」
「わかった。ではすぐに乗るしよう」
「はい。クェスは何処ですか?」
「あいつならもうヤクトドーガに乗ってるぜ」
ギュネイが応える。
「じゃあいいわ。けれどあの娘時々パイロットスーツを着ずに乗っちゃうから心配なのよ」
「チェーンさんは心配し過ぎなんだよ。まるで早瀬中尉みたいに」
「ギュネイもあの人は苦手なのね」
「俺じゃなくてもあの人には勝てないと思うぞ」
「バサラ君は平気みたいだけれど」
「あいつはまた特別だ。また出てるんだろ?」
「ええ」
「それで戦場で音楽を鳴らしてか。よくやるぜ」
「だがあれはあれで見上げたものだ」
クワトロはそんな彼を認めていた。
「歌で戦いを終わらせようという気概はな。そしてそれを実行している」
「歌で戦いを。そんなことが出来るんですかね」
「やってみる価値はあるさ」
ギュネイにもこう返した。
「それもまた進歩の形だ」
「まあ俺もあいつの曲は好きですけれどね」
「どっちかと言うとミレーヌちゃんの曲が」
「・・・・・・それも認めるさ」
ケーラのいささか意地悪な言葉にも応じた。
「ノリがいいしな。才能あるのは確かだぜ」
「ミレーヌちゃんの才能も凄いわよね」
「ああ、聴いてるだけで元気が出て来るぜ」
ギュネイも乗ってきた。
「またそれを聴く為にもな」
「頑張るとしましょう」
「おう」
(ギュネイにとってもここに来たのはよかったみたいだな)
クワトロは明るい顔のギュネイを見て心の中でこう呟いた。
「では私も行くか」
サザビーに向かう
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