§14 魔王に立ち向かうのは勇者だけではない
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ルを取り出す。封を開けてお茶をラッパ飲み。まったく、飲まなきゃやっていられない。
黎斗が捜索を開始した頃、事態はとんでもない方向へと動いていた。
「そこの金髪!! 万理谷さんに触れるな!」
サルバトーレ・ドニ。欧州最強の剣士。”剣の王”と呼ばれ畏怖される魔王に立ち向かったのは、変態紳士の一角、名波だった。
「え?」
間の抜けた声を出してしまうドニ。まぁ、当然だろう。どっからどう見ても観光客にしか見えない日本人が、いきなり立ち向かってきたのだから。
彼らはただの一般人だ。だが、一般人であるが故に、同級生が暴行を受けているのを看過出来はしない・・・!!
カンピオーネという存在を知らない彼らは、自分の前に立つ存在がどれほど恐ろしい存在か理解できない。相手との実力差があまりにもありすぎて、どれだけドニが規格外な存在なのかもわかってはいないだろう。彼らにとって目の前の金髪は、憧れの同級生に襲い掛かって縛ろうとしている暴漢以外の何者でもない。
「貴方達、やめなさい!! サルバトーレ卿はあなた方が束になっても敵うような相手ではないわ!!」
エリカですら大声をあげる事態。アンドレアに至っては、目を見開いたまま硬直している。目の前の現実に、理解が追いついていないのだ。そんな状況下で放たれた、エリカの声は逆効果だった。普段の彼女なら気づいたはず。倒れ伏す自分の姿が、彼らにどんな影響を与えるのか。
「うおお、エリカ様!? てめぇ、エリカ様に何をした!!」
逆上する反町。ドニを見つめる目はとても険しい。
「……ははは、よくぞ着た勇者達。僕に勝てばここの二人を解放しよう!」
おそらく彼らは彼女たちの日本での友人だろう。通りすがりのクラスメートが彼女達を襲う自分に敵意を持つのは不思議なことではない。ならば、とことん悪役をやってやろうではないか。その方がきっと面白い。いち早く状況を理解したドニは気取った台詞と共に、三人へと向き合う。さながら悪の大王のように。
「このバカ!! 遊びが過ぎるぞ!!」
事態を把握したアンドレアがドニを罵倒する。ただの少年相手に本気を出すはず無いとわかっているが、だからといって許容できる事態ではない。
「三人ともダメです!! その方には絶対に敵いません!」
「なっ……」
「うああ!!」
エルの叫びに反応し彼女に視線を向けたドニが硬直する。結果、素人といっても差し支えの無い反町の一撃が、彼を捉えた。直撃した拳が、彼の身体を吹き飛ばす。
「「「!!?」」」
無論、ドニに対した影響など無い。しかし、一般人に過ぎない反町の一撃を受ける彼に、エリカも祐理もア
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