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木の葉芽吹きて大樹為す
若葉時代・慰霊祭編<中編>
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を見開いて、ぽかんとした表情を浮かべている。

「えぇ、と……。ミト様、そちらの方はどちら様で?」
「あらあら。気付かないの?」

 呆然と目を見開いたまま、恐る恐るとした仕草で私達の方に指が向けられる。
 やけに愉し気な口調のミトが、子供達を見つめて挑発的に微笑んで答えた。取り敢えず、どこでそんな仕草を覚えて来たの? お姉ちゃん、とっても気になります。

「酷いな、ヒルゼン君。なんで分からないんだ? そんなに今のオレは可笑しいのか?」
「いいえ、違いますわ。とってもお似合いですとも」

 うふふ、と口元を隠してたおやかに微笑んだミト。
 でも、この子達全然私だって事に気付いてくれないんだよ?

「え? お、オレって、まさか……!」
「柱間様? え、嘘だろ!?」

 私とミトとを交互に指差して、驚愕の表情を浮かべるヒルゼン君とダンゾウ君。
 魂消たとは正しく今の彼らの様子を指すのだろう。昔から伝わる言葉の意味を理解して、一人頷いた。

「柱間様、お綺麗です! いつもの凛々しいお姿も素敵ですけど、これはこれで……!」

 はぁ、とうっとりとした表情で誉めくれたのはビワコちゃんだけだ。なんだか寂しくなって、落ち込んだ。
 そんな私の両肩を、ミトが細い掌で掴む。

「でしょう? 普段の柱間様とはまた違った雰囲気ですけど、これはこれで素敵でしょう!?」
「はい! もしかして、ミト様のお見立てなんですか?」
「そうよ! こんな機会でもなければ、柱間様は御自身を着飾ってくれないんですもの」

 女の子同士できゃあきゃあ言い合う二人の周囲だけが物凄く華やいでいる。私も性別は女な筈なのに、この違いの差はどうした物か。
 首を傾げて見守っていれば、纏っていた服の袖が引っ張られる。視線を落とせば、疑問符を周りに浮かべた様子のヒルゼン君が服の袖を掴んでいた。

「柱間様、一つ聞いてもいいか?」
「いいよ。何が聞きたいんだい?」

 ミトに放っておかれたので、少年達の方へと振り返る。にしてもやけに重いな、この衣装。
 
「柱間様、凄く似合っているとは思うけど」
「思うけど……?」
「どうして女の人みたいな衣装を着てるんだ?」

 それは私も知りたい。

「この服綺麗だし、似合っているけど、普段柱間様が着ている服と全然違うよな。いつもはこんな色使ってないし」

 ミトが私に着せてくれたのは、見ように寄っては女性向けの衣装だ。
 華やか……というか色鮮やかな暖色系等の衣に、所々小紋が施された和服を着ている人を見つけたら、十中八九見ている人は着ている相手が女だと思い込むだろう的な物である。

「そりゃそうだ。これを選んだのはオレじゃないもの」
「……え? じゃあ、ミト様が見立てたっていうのは
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