番外編 蜂蜜を愛するお嬢様と黄巾の乱
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と言ったのじゃ。
この者は妾が幼いと思って舐めておるのか。
「罪を認めぬとは、お前はこの私を何と思っておるのじゃ。この南陽郡の大守じゃぞ」
「はい、存じております。この南陽郡にはここのやり方がございます。それを曲げようとすれば、袁公路様の御身が気がかりでございます。昨今は賊が増えておりますのでお気をつけください」
袁江は開き直って、妾を脅迫してきおったのじゃ!
もう・・・・・・、許せぬ!
こんな下衆が妾の一族にいるとは!
「汝南袁家の者なれば恥を知れ! 民は国の柱じゃ。それを虐げるとは天に唾を吐くも同罪、その行為は漢室に弓引くも同然じゃ。涼、この者とその家族を斬首にするのじゃ!」
妾は頭に血が上って、袁江を罵倒したのじゃ。
「そんなことしてどうなるか分かっておるのか? 他の豪族は黙っておらんぞ!」
袁江は妾を嘲笑するように言ったのじゃ。
「望むところじゃ! 民を苦しめる者は賊と同じじゃ。賊を狩るのに理由など要らぬわ! 妾の前に立ちふさがる賊は何人とて生かしてはおかぬ。涼、直ぐに袁江の家族を全て捕らえてまいれ。明朝、民の前で処刑を執行するのじゃ」
妾は袁江を睨み言い放ったのじゃ。
「な、ちょっと待ってくれ、儂は袁公路様と同じ袁一族ではないか・・・・・・。話し合おう。い、命ばかりは勘弁してくだされ! 汚職をしている者は儂だけじゃない。は、話す。汚職をしている者達の名を明かすから、見逃してくだされ!」
袁江は妾の態度が脅しでないと感じとり、血の気の引いた表情で必死に助命を願いでてきたのじゃ。
「お前は他にも汚職をしている者を知っておるのか?」
「知っている。知っている。儂は袁家の人間だぞ。この南陽で汚職している者なら全て知っておる」
袁江は私の態度に命が助かるかもしれないと淡い期待を感じたのか、必死な形相で応えたのじゃ。
「ふむ・・・・・・、ならばお前の知っている者達の名を全て挙げよ。助命の話、考えてやらなくもない」
妾は助命する気などなかったが、袁江から情報を引き出すために言ったのじゃ。
「話します。この袁江は袁公路様に忠義を尽くします」
袁江は恭しく頭を垂れたのじゃ。
「鉄心、袁江に筆と竹巻を用意してやれ。袁江、お主はそこに汚職を行いないせし者の名を書くのじゃ」
妾は横に控えていた鉄心に命じ、袁江に汚職官吏の名を書かせたのじゃ。
「はっ! 直ぐに用意いたします」
鉄心はそそくさと袁江の前に筆と竹巻を用意したのじゃ。
「袁公路様、こ、これを書けば見逃してくださるのか?」
袁江は筆を取る前に、不安気な表情で尋ねたのじゃ。
「書きたくないのなら、別に構わぬぞ。妾はお主に強要はせぬ。妾の気が変わらぬ内に
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