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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
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か出来てないのかもよく……』
『……そうか!ま、ちっとずつ進んでけば良いさ。それよか今は……』
何故か明るい声で返して来たノーヴェは不意に意識をクラナから外したようだった。既にヴィヴィオとアインハルトはバトルモードだ。ヴィヴィオはクリスをセットアップし、16歳の少女の容姿に。アインハルトもまたクラナと戦った時と同じく変身して、ヴィヴィオより少し年上程度に見える。
『……こいつらだからな』
『ですね……』
クラナもまた、二人に視線を戻す。
ルールは以前と同じ。
・身体強化を除く魔法は無し。
・戦闘法は格闘オンリー。
・制限時間は五分。一本勝負。
ノーヴェが右手を上げた……
「それじゃあ試合――――開始ッ!」
────
アインハルトと向き合いながら、ヴィヴィオは自分の体に凄まじい威圧感が掛かるのを感じていた。
『一体どれくらい、どんなふうに鍛えて来たんだろう……』
ヴィヴィオは想像しつつ思う。おそらくは、自分とは格闘技と向き合ってきた年月も、その練習の密度も、時間も、何もかもが違うレベルに、この人は居る。情けない話だが、冷静に考えてそもそも勝てる気がしなかった。
しかし……だからこそ、この人に瞬殺されるような事が有ってはならない。
『“今在る最高の自分”で……伝えるんだ』
「このあいだはごめんなさい」そう、ヴィヴィオはアインハルトに言いたかった。きっと、先日の試合に、彼女は自分とは圧倒的に違う真剣さを持って望んでいた。だが、自分は同じ競技をするものでありながら、それに気付く事が出来なかったのだ。
彼女の真剣さに対して、自分がどれほどそれに欠けていた事か。ヴィヴィオは先日の試合で痛感している。
だからこそ、もう間違えたりしない。
全力全開、今在る自分の全てを、この試合にぶつける……!
「ふっ!」
構えから一歩踏み込む。一気に距離を詰めて……
「っ!?」
しかし次の瞬間、アインハルトがその踏み込みを潰すように突如前に出てきた。踏み込みが此方と比べて遥かに速い!
そのまま構えた拳でヴィヴィオの顔面を狙っている。もう距離を取ることなど到底無理な勢いだ。ならば選択肢は二つ。回避か、防御。
咄嗟に、防御をしようと腕を動かしかけて、彼女は気付いた。
『あれ……』
この状況、どこかで見たことが有る。これは練習四日目、練習に付き合ってくれたクラナが、自分が前に出ようとする度にしてきた動作に近いような……
意識するより先に、姿勢を低く。もう一つ踏み込む。重心を移動させ、体をほんの少し右に傾けて首も傾ける……顔の脇を拳が通過する。そこから確か……
『自分の勢いと相手の勢いの乗る拳を……』
撃つ!!
どふっ!!と音がして、アインハルトが吹っ飛ん
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