第六話 ゴールデンウィークその一
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第六話 ゴールデンウィーク
桜が完全に散ってからだった。プラネッツの面々はようやく歌を歌った。既存の歌の他にオリジナルの歌もだ。
その歌の楽譜を見て琴乃が言った。今は五人で昼の屋上にいる。そこの端に集まって景子が開いている楽譜を見ながら。
「いい感じじゃない?」
「そう思う?」
「うん。テンポは結構ね」
「ゆったりとした感じでね」
したというのだ。
「詞を見てそっちの方がいいと思って」
「それで景子ちゃんはそうしたのね」
「琴乃ちゃんはどうなの?」
景子は自分に言ってくる琴乃にこう返した。
「やっぱりあれ?」
「あれっていうかね」
琴乃は少し考える顔になって答えた。答えながら制服のスカートのポケットから楽譜を出した。彼女が書いた曲をだ。
「こんな感じにしたけれど」
「ううん、こんな感じなのね」
「そう。どうかな」
「ちょっと速いと思うけれど」
こう答える景子だった。
「これだと」
「速いのね」
「うん、速いわよ」
「私あの歌詞を見てるとね」
どう感じていたのかを話すのだった。
「そう思ったから」
「速いかしら」
「あの歌詞だともっとね」
「ゆkたり?」
「バラードみたいな感じでいいと思うけれど」
これが景子の思うことだった。その曲に対する。
「そう思ったけれどね。私はね」
「そうかしら。私はやっぱり」
「速い方がっていうのね」
「どうしてもそう思うから」
だから速い曲を作ったというのだ。この辺りは個人差ででかなり難しかった。
二人の話をしてからそのうえでだった。
琴乃と景子は周り、残りの三人が沈黙しているのを見て彼女達に問い返した。
「皆はどう思う?」
「どっちがいいかしら」
「これな」
美優は二人の楽譜を見比べた。それから自分が持っている詞を見た。そのうえでこう言ったのである。
「やっぱり景子ちゃんの方がいいだろ」
「私なのね」
「ああ。この詞だとバラードだからな」
それでだというのだ。
「だからこっちだろ」
「そうなるのね」
「琴乃ちゃんの曲だと詞変えるか?」
美優は琴乃の曲についても言う。
「他の詞な」
「この曲ね」
「ロックの曲だよな」
「それをアレンジしてなの」
「だよな。感じでわかったよ」
そして景子もあるバラードの曲をアレンジしている。プラネッツはまだ曲を完全に作られるところまでいってはいない。だからアレンジをしたのだ。
「そうしたんだな」
「うん。そうだったの」
「まああたし達はアマチュアだしな」
高校生の部活のバンドだ。それならだった。
「習作でな」
「アレンジとかもいいのね」
「先生もそこからdって言ってたしな」
「具体的にどんなグループを
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