第五話 豚骨ラーメンその二
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その袋を見てだ。琴乃はこう言った。
「麺と後は」
「うん、豚肉ね」
「それも買ってきたわ」
里香と彩夏が答える。
「後は美優ちゃんのお家に行って」
「お料理開始ね」
「そうね。それじゃあね」
二人は笑顔で琴乃と景子に話す。食材は揃っていた。
だが一つ重要な食材がまだだった。それは。
「あっ、豚骨はどうなったの?」
「それね」
里香が琴乃に応える。
「それがどうなったか」
「そう。買ったの?」
「美優ちゃんから携帯で連絡があったけれど」
それでだ。どうなったかというのだ。
「豚骨はもう美優ちゃんが買ってね」
「それでなの」
「そう。もう鍋で茹でてるらしいの」
「じゃあそこにお野菜を入れて茹でたら」
「いいだけみたいよ」
「そうだったの」
「豚骨からダシをたっぷり取りたいからって」
だからだとだ。里香は肝心の豚骨のことを琴乃に話す。
「もう昨日に買って今から茹でてるらしいのよ」
「豚骨のだしってそんなに時間がかかるのね」
「骨の髄からだしを取るから」
これはトリガラも同じだ。骨は髄からだしを取るのだ。
「それでなのよ」
「ううん。私もだしを取るけれど」
「豚骨とかトリガラじゃなかったの?」
「お味噌汁とかだったから」
それでだというのだ。
「煮干とか昆布とかだったからな」
「豚骨みたいに時間はかからないわよね」
「ええ、それでなの」
琴乃はこう里香に話す。
「骨のだしのことは知らなかったわ」
「そうなの。けれど中華料理は骨からだから」
若しくは肉、その両方からだ。
「覚えておくといいと思うわ」
「うん、わかったわ」
「じゃあ。行きましょう」
「うん。スープにお野菜も入れて」
そのラーメンのスープのアク抜きと風味の為だ。
「薬味にも使ってね」
「紅生姜買った?」
景子は三人に尋ねた。
「それは」
「それも美優ちゃんから連絡があったから」
だからだとだ。彩夏が景子のその問いに答える。
「紅生姜ももうね」
「美優ちゃんが買ってるの」
「そう。もうね」
「肝心なものは抑えてるのね」
「こういうところしっかりしてるわよね」
彩夏は関心している口調でしみじみと話す。
「流石リーダーっていうか」
「そうね。そのことはね」
「美優ちゃんがリーダーでよかったわね」
彩夏は今度はにこりとして言った。
「しっかりしてて頼りになるリーダーよね」
「確かにね。けれどね」
「けれど?」
「幾ら美優ちゃんがリーダーでも」
それでもだとだ。景子は真面目に考えている顔でこうも言った。
「頼りきり、任せきりはね」
「よくないのね」
「五人いるんだから」
だからだというのだ。
「私達もしっかりしないとね」
「お互い
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