第五話 豚骨ラーメンその一
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第五話 豚骨ラーメン
琴乃は今買出しに出ていた。商店街の八百屋において野菜を見ている。景子も一緒にいてやはり野菜を選んでいる。
景子は生姜を手に取ってだ。こう琴乃に言った。
「この生姜いいわよ」
「そうね。大きいし」
「しかも新鮮よ」
その二つを見ての言葉だった。
「だからいいじゃないかしら」
「じゃあ生姜はそれと」
「あと二つね」
「そうね。人参と玉葱は買ったから」
「お葱もね」
それも既に籠の中に入れていた。
「お野菜はこれでいいかしら」
「あっ、お葱はスープに入れるのと」
それとは別にだった。
「ラーメンの上に乗せる薬味のと」
「太いのと細いのが必要ね」
「やっこ葱ね」
細いのはこちらだった。
「それも買おう」
「後はもやしもね」
琴乃は景子と話してこれも思い出した。
「それもよね」
「そうそう、それもあったわね」
「もやしがないとラーメンってね」
「足りないのよね」
「もやしってちょっと見たら何でもないものだけれど」
「ないと寂しいのよね」
ラーメンについてはそうだというのだ。
「そう思うと不思議よね」
「うん、何か」
「だからもやしもね」
景子は生姜も籠の中に入れた。そうして。
そのもやしの袋も手に取ってだ。それも見て言った。
「このもやしもいいわね」
「しゃきっとしてるわね」
「もやしも新鮮じゃないとね」
これについてもだというのだ。もやしもまた。
「よくないから」
「お野菜は新鮮第一なのね」
「そうよ。神社でもね」
「ちゃんとしてるの?」
「お寺でもそうだけれど出されたものは絶対に食べないといけないのよ」
「それならなの」
「そう。新鮮なうちに食べないといけないから」
景子は真面目な顔で琴乃に話す。
「気をつけてるのよ」
「成程。そうなのね」
「まず第一にね」
景子はさらに話す。
「食べものは新鮮第一」
「お野菜も」
「あとお魚もよ」
「そうね。お魚もね」
「いたみやすいしいたんだら危ないから」
「そういうのは気をつけてるの」
「うん。私和食しか作れないって言ったけれど」
その和食の話もする。
「和食はお野菜とお魚だから」
「余計になのね」
「気をつけてるの。琴乃ちゃんもね」
「うん、私もなのね」
「食べ物の新鮮さには気をつけてね」
「わかったわ。本当にね」
こうした話をしながら二人で野菜を買った。それからだ。
美優の家に向かう途中で里香と彩夏に会った。二人も二人で買い物をしていた。その手には膨らんだビニール袋があった。
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