第四話 緑の葉その八
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「ここはね」
「そうね。じゃあ」
「もう一回歌って演奏してみるか」
里香と美優が琴乃のその言葉に頷いた。
「じゃあ今から」
「また歌うか」
「コーラスも入れてね」
「そうしてよね」
景子と彩夏も話す。
「それじゃあ今から」
「もう一回ね」
五人共楽器を手にして歌う。五人はコーラスのことも考えながらそのうえで練習していく。その五人の日常はというと。
至って平和だった。昼休みのことだ。
景子は食堂で学食のラーメンを食べながら一緒にいる四人にこう言った。
「実はね。私ラーメンはね」
「何か好みがあるの?」
「うん。今食べてるこれが好きなのよ」
見れば景子が今食べているラーメンのスープは白い。そしてやや褐色の油が浮かんでいる。麺は細めだ。
「豚骨ね」
「博多風好きなの」
「ラーメンってやっぱりこれよね」
景子は目を細めさせて言う。
「豚骨よね」
「関西じゃ最初なかったのよね、確か」
琴乃がそのことを指摘する。
「豚骨は」
「そうみたいね。けれどね」
「景子ちゃんはラーメンはそれなの」
「そう。豚骨ね」
その白いラーメンが好きだというのだ。
「やっぱり美味しいわよね」
「そうそう。私も豚骨ラーメン好きよ」
「琴乃ちゃんもなの」
「ええ、好きよ」
琴乃はカツ丼を食べながら景子に話す。もう一つきつねうどんも一緒に注文している。
「醤油ラーメンも好きだけれどね」
「豚骨もなのね」
「豚骨いいわよね」
琴乃はそのカツの豚を食べながら言う。
「カルシウムも多いしね」
「特にこの食堂の豚骨ラーメンはね」
それはどうかというと。
「じっくりと煮込んでるからね」
「そうそう。スープのダシがよく出てるのよね」
彩夏は彼女の好物であるお好み焼き定食を食べている。やはりそのお好み焼きにはソースがかなりかけられている。
その辛そうなお好み焼きを食べながらだ。こう言うのである。
「だから美味しいのよね」
「そうなのよね。トリガラもそうだけれど」
「お蕎麦もなんだよな」
美優は天麩羅蕎麦に卵丼を食べている。
「このおつゆいいぜ」
「鰹節よね」
「鰹節に昆布だな」
蕎麦のつゆのだしはそういったものから取っているというのだ。
「それに椎茸な」
「関西風ね」
景子は美優が話すそのだしの素材を聞いて述べた。
「それになるわね」
「だよな。それはな」
「関西ね。やっぱりいいわよね」
「けれど景子ちゃんラーメンはか」
「そう、豚骨」
九州のそれだというのだ。
「やっぱりこれよね」
「豚骨なあ。今度作ってみようかね」
「あれ、美優ちゃんラーメン作られるの?」
里香は美優の今の言葉に反応して問うた。美優がラーメンを作ろうかといったその言葉
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