第四話 緑の葉その六
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「じゃあ琴乃ちゃんか?」
「私?」
「琴乃ちゃんカラオケとかでバラード歌うか?」
「歌うけれど。結構ね」
歌う機会もそれなりにあるというのだ。
「そうだけど」
「じゃあいいか。ところでカラオケか」
「うん、カラオケよく行くわ」
「カラオケって歌の練習になるよな」
美優は琴乃の話を聞いてこのことにも気付いた。
「だよな。いいよな」
「カラオケは言っていいわよね」
「ああ、喉を痛めない位ならいいんじゃないか?」
これが美優の返答だった。
「そうしたらな」
「それじゃあね」
「ああ、じゃあ琴乃ちゃんな」
そのアイドルグループの桜の歌を歌うのは琴乃になった。リーダーが決めた。
それに他のメンバーも頷きそれからだった。
実際に琴乃が歌い演奏して他の四人は演奏に徹する。しかしだ。
一回歌った後で里香が目をしばたかせて言った。
「何か違うと思うけれど」
「ああ、だよな」
美優も気付いていた。
「何かな」
「どう違うかっていうと」
「何か足りないよな」
「演奏したてで覚えてないこともあるけれど」
楽譜はコピーしてそれぞれ前に置いている。そのうえで演奏していたのだ。
そうして演奏してからだ。理科は言って美優も応えたのだ。
「演奏の上手とか下手じゃなくてな」
「何かそれとは別に」
「足りないものがあるな」
「それは何かしら」
「あっ、今私だけが歌ってたけれど」
琴乃も言ってきた。
「ほら、この曲ってグループで歌うじゃない」
「!?グループ」
「そういえば」
「そう。私一人で歌う曲じゃないわよね」
こう言ったのである。
「そうよね」
「じゃあコーラスを入れて」
「それでか」
「それで歌ってみたらどうかしら」
プラネッツがコーラスにも重点を置いていることも踏まえてその点からも皆に対して話す琴乃だった。彼女も考えているのだ。
「どうかしら」
「じゃあ何処でコーラスを入れるかだな」
「サビの部分ね」
すぐに里香が言ってきた。
「そこにコーラスを入れて」
「そうしてか」
「そうしてみたらどうかしら」
美優に対しても言う。
「全部皆で歌うと何か違うから」
「それ原曲でもしないからな」
「だからね。コーラスを入れるサビの部分は」
そうしたことも五人で話していく。そして。
コーラスで歌う部分も決めてだ。そうしてまた歌ってみた。
それからだ。琴乃は笑顔で述べた。
「いい感じになったわね」
「ああ、さっきとは全然違うな」
美優も納得した顔になっている。
「コーラスを入れただけでな」
「コーラスって大事なのね」
「だよな。これまではな」
どうだったかとだ。美優はこう琴乃に述べた。
「ただ。琴乃ちゃんが歌ってな」
「演奏し
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