第三話 部活その十二
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「じゃあ練習も兼ねて」
「ちょっとやってみるか」
「こうした音楽もいいしね」
「それじゃあな」
これで決まりだった。五人は一緒になってだ。
六甲おろしを演奏して歌ってみた。するとだった。
思った以上にいけている感じでだ。美優がドラムの席から言った。
「ああ、いいな六甲おろし」
「そうよね。この歌ってバンドでもいいのね」
「流石は阪神だよな」
「うん、そうよね」
琴乃も笑顔で話す。
「この曲レパートリーに入れる?」
「いいな。じゃあな」
「うん。そうしよう」
「レパートリー追加か。って最初か」
最初に入った曲だった。プラネッツのレパートリーに。美優はそのことに気付いて笑ってメンバーに話したのである。
「あたし達のレパートリーに入ったのは」
「そうよね。それはね」
「ああ、いいよな」
こう言う美優だった。
「これはな。ただな」
「ただって?」
「何ていうかな。あれだよな」
美優が今度言うのはこうしたことだった。
「六甲おろしってロックじゃないよな」
「絶対に違うわよね」
「あたし達どうした音楽にするよ」
これが今美優が言うことだった。他のメンバーにドラムの席に座ったままそのうえで問うたのだ。
「ロックがいいかポップスにいいか」
「そのことよね」
景子も言ってきた。自分の楽器を手にしたままで。
「問題は」
「そうだろ?あたし最初はロックって思ってたけれどな」
「六甲おろしはロックじゃないから」
「野球の応援歌はね」
「けれどレパートリーに入ったからな」
入れたからには削除するつもりもなかった。
「どうしたものかね」
「ロックもいい曲はあるしポップスもね」
里香はキーボードの場所から言う。
「いい曲はいいから」
「だよな。どのジャンルでもな」
「いい曲って音楽のジャンルに関係ないから」
つまりどのジャンルでもいいのだ。音楽とはそうしたものなのだ。
「一概には言えないわよね」
「なんだよな。どうしたものだよ」
美優は腕を組んで考える顔になった。この辺りリーダーになっているだけのことはある。その彼女に琴乃がこう言ってきた。
「じゃあこだわらずにね」
「こだわらないでか」
「うん、こだわらないでね」
そうしてだというのだ。
「もうどんなジャンルでもいい曲ならレパートリーに入れない?勿論私達のオリジナルの曲もね」
「ロックでもポップスでもか」
「作っていってね」
「それでレパートリーにしていけばいいか」
「そう思うけれどどうかな」
琴乃はこう美優に言った。
「そう思うけれど」
「こだわる必要もないか」
「そうじゃないかな」
「皆どう思うよ」
美優は考える顔のままで自分と琴乃以外のメンバーに尋ねた。
「琴乃ちゃんの考
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