第三話 部活その二
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「さもないと夏なんか本当に倒れるから」
「ランニングで、ですか?」
「演奏でもね」
それでもだ。倒れるというのだ。
「だから気をつけてね」
「演奏ですか」
「そうよ。演奏で熱中するでしょ」
先輩は走りながら軽音楽部の本分である演奏の話をした。その時にどれだけ汗をかくかというのである。
「その時に脱水症状とか熱中症にならない様に」
「水分補給はしっかりとですか」
「何なら無理に摂らせるから」
そうしてまでするというのだ。
「倒れたら危ないからね」
「そんなに汗かくんですか」
「そうよ。うちの部活路上ライブもあるし」
先輩はやはり走りながらその後輩に話す。
「だからね」
「炎天下ですか?」
「ええ、そうよ。夏にもね」
「それやるから」
だからだというのだ。
「体力しっかりつけてね」
「水分もちゃんと摂って」
そうしてだというのだ。
「体力と水分。しっかりね」
「倒れない様にね」
それで走ったりもするというのだ。そうした話をしながら軽音楽部はトレーニングを続けていく。そうしてそれは。
琴乃達も当然ながらその中にいた。彼女達も走って腕立て伏せや腹筋をする。その中で里香は肩で息をしていた。
そしてだ。こう琴乃達に言うのだった。
「やっぱり。身体動かすのは」
「辛いの?」
「しんどいわね」
汗に濡れた顔での言葉だった。
「本当に。こんなに走ったことも」
「なかったの」
「マラソンではあったけれど」
授業のでだ。それでもだというのだ。
「それでもね」
「部活してなかったのよね。中学の時は」
「そうよ。だからね」
それでだというのだ。
「今かなりしんどいわ」
「そういう時はな」
美優が出て来た。そうして里香にあるものを差し出してきた。それは。
「これ食ってくれよ」
「これって」
「レモンだよ」
それだった。スライスしたそれを差し出してのことだった。
「これ食えばいいからな」
「レモンって確か」
「疲れた時に元気出させてくれるからな」
「そうよね。よく言われてるわよね」
「蜂蜜漬けじゃないけれどな」
こうした時の定番のそれではないがそれでもだというのだ。
「まあ食ってな」
「疲れを取って」
「また頑張ろうな。それにな」
「それに?」
「身体動かした後はストレッチしないとな」
実際に今はそれの時間だった。皆整理体操としてそれをしている。そしてそれをしながらなのだった。里香は美優からレモンを受け取った。
「有り難う。それじゃあ」
「遠慮なくな。それでストレッチしないとな」
「後で筋肉通になるのね」
「そういうのになるからな」
だからだというのだ。
「ちゃんとしないとな」
「そうよね。じゃあ」
このことは里香も
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