第二話 はじめての演奏その七
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「丁度持ってるから」
「じゃあその楽譜見ながらか」
「ちゃんと楽器用のだから」
演奏にも楽に使えるというのだ。
「安心してね」
「ああ、わかったよ。それじゃあな」
こう話してだ。そうしてだった。
五人は景子が出してきた楽譜を使って演奏をはじめた。それで琴乃も歌ってみた。そうしてそのうえでだった。
一曲歌ってからだ。琴乃は四人に尋ねた。琴乃はヴォーカルなのでメンバーの前にいる。そのうえで後ろの彼女達に尋ねたのである。
「どんな感じかな」
「合ってるな」
ドラムのところからだ。美優が笑顔で答える。
「琴乃ちゃんには明るい歌が似合ってるよ」
「そう、よかった」
「ああ、それでな」
「それで?」
「琴乃ちゃんのギターだけれどな」
そのことも話すのだった。美優はここで。
「ちょっと。景子ちゃんと比べてな」
「下手?」
「演奏に専念している時はいいけれどな」
その時はだというのだ。
「けれど歌うとな」
「その時はなの」
「ちょっと演奏がおざなりになってないか?」
こう言ったのである。琴乃にだ。
「ちょっとな。そんな気がするけれどな」
「ううん、そうかな」
「ちょっと思ったけれどな」
こう言ったのである。
「普段は景子ちゃんと比べてもそんなに問題ないよ」
「それでも歌うと」
「そっちの方に重点がいってないか?」
「両方できないと駄目よね」
「ああ、ヴォーカル兼ギターだからな」
それ故にだというのだ。
「そっちもしっかりしてくれよ」
「そうするわ。難しいわね」
「二つのことを同時に遜色なくするってな」
「難しいわよね」
琴乃は首を捻っていた。その琴乃に対して里香がこう言った。
「それじゃあね」
「それじゃあって?」
「どっちかに専念するのもいいんじゃないかしら」
「専念なの」
「そう。二つのことをして何かが悪くなるよりはいいわよ」
こう言ったのである。
「一つのことに専念した方が」
「じゃあ私はこの場合は」
どうかとだ。琴乃は自分で言った。
「歌かギターに」
「琴乃ちゃんはメインヴォーカルだから」
それでだとだ。里香は言った。
「ヴォーカルに専念する?けれど他の人が歌う時は」
その時はだというのだ。
「琴乃ちゃんは演奏で」
「ギターの」
「そうしてみたらどうかしら」
これが里香の提案だった。
「悪くないと思うけれど」
「確かに。そういうのも」
「そうでしょ。だからね」
「その都度分けるの」
「若しくは練習してね」
里香はもう一つの解決案も提示した。
「どっちも問題なく同時にできるようになるか」
「練習して」
「どちらかにするの」
こう言うのだった。
「その都度分けるか練習するか」
「どっちかなのね
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