第二話 はじめての演奏その四
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「そういうのしたことないし」
「じゃあ部活とかも?」
「部活自体したことないから」
高校に入ってはじめてだというのだ。
「だから。悪いけれど」
「そうなの。それじゃあ」
「里香ちゃんはどっちかっていうとあれかな」
琴乃もここで言う。
「サブリーダーっていうかそんな感じね」
「戦隊とかで言うと参謀?」
景子は琴乃にこう返す。
「そんな感じっていうのね」
「頭いいしね。だからね」
「そういえば里香ちゃんって入試の成績校内で一番だったらしいわね」
景子もこの話は聞いていた。噂だが。
「性格的にもそんな感じよね」
「参謀よね」
「ええ、戦隊で言うとね」
景子は特撮を基準にして話す。
「そうなるわね」
「だから。里香ちゃんはね」
「リーダーには向いてないのね」
「私はそう思うけれど」
「言われてみれば」
琴乃の話を聞いてだ。景子は考えをあらためた。
そのうえでだ。こう言ったのだった。
「じゃあ里香ちゃんはサブリーダーで」
「ええ、それだったらね」
里香もだ。景子のその言葉に頷いて返した。
「それやらせてもらうわ」
「サブリーダーね」
「そうさせてもらうわ」
リーダーより先にそれが決まった。それは里香に決まった。
順番が逆になったが次にいよいよだった。そのリーダーの話になった。
景子は里香以外の三人を見てだ。彼女の名を挙げた。その彼女はというと。
「美優ちゃんかしら」
「あたしがリーダーかよ」
「うん。これまでのところ結構中心で仕切ってるから」
「そうか?」
「引っ張ってくれてるしね。だからね」
それでだというのだ。
「美優ちゃんがいいかなって思うけれどどうかしら」
「あっ、それいいかもね」
景子の今の言葉に最初に応えたのは彩夏だった。右手の人差し指を納得した感じで前後にスイングさせながら述べる。
「美優ちゃんならね」
「そうよね。彩夏ちゃんあまり前に出るタイプじゃないでしょ」
「それなりにとは思うけれど」
だがそれでもだというのだ。
「確かに。そんなに積極的にはね」
「私もそうだし。仕切るタイプでもないし」
景子も言う。
「で、琴乃ちゃんは多分元気がよ過ぎるから」
「駄目っていうのね」
「結構空回りしてるって言われない?」
「結構ね、それはね」
そうだとだ。琴乃は景子の問いに苦笑いで返す。
「そんな感じなの」
「そうなの。やっぱりね」
「うん、そうなの」
こう言うのだった。
「子供の頃から言われてるわ」
「それも愛嬌だけれどリーダーにはね」
「よくないっていうのね」
「そう思うから」
「確かにね。私ってね」
どうかというのだ。琴乃は自分で言う。
「ムードメーカーだけれどね」
「リーダー向きではない
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