第一話 五人その七
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「皆ね」
「そうなのね」
「そう。だからね」
景子はまた里香に話した。
「人気あるのよ」
「やっぱり。そうなの」
「アルバイトの求人には困らない位」
「それ位なの」
「特に八条神社はね」
そのだ。景子の父と兄が勤めているそこもだというのだ。
「人気があるのよ」
「あの神社ってそんなに?」
「そう。まあ私のところもね」
景子の家の神社もだというのだ。
「結構来てくれる人は多いの」
「ううん。じゃあ服は」
「そう。結構あるから」
人数分もだというのだ。
「あるわよ」
「あるの」
「ええ、あるわ」
景子は微笑んだまま里香の問いに答える。
「五人よね。むしろね」
「むしろ?」
「余る位よ」
巫女の服がだ。そこまであるというのだ。
「だから安心してね」
「それじゃあ」
「楽器も借りてね」
それもだ。あるというのだ。
「そのうえでね」
「巫女さんの姿で楽器を演奏するのね」
「そうしましょう」
景子は笑顔で言ってだった。
五人で巫女のことも音楽のことも約束した。かくしてだ。
この話はこれで終わった。琴乃はさらに重要なことをだ。他の四人に笑顔でこう言ったのである。その言うこととは。
「ねえ。そういえばね」
「そういえばって?」
「うん。これで揃ったかな」
こうだ。彩夏に対して言うのである。
「五人ね。バンドね」
「バンドがっていうのね」
「うん。私がギターで」
「私もギターで」
彩夏も言うとだ。他の三人もだった。
「私キーボードで」
「私はベース」
「あたしがドラム」
こうして言い合うとだ。確かにだった。
「そうね。バンドね」
「バンドになってるわね」
「確かに」」
琴乃の言葉にだ。四人も頷く。
そしてだった。琴乃は四人に明るく言った。
「じゃあこの五人でやってく?バンド」
「いいんじゃない?」
彩夏が最初に微笑みと共に応えた。
「それでね」
「私も。じゃあ」
「私もいいと思うわ」
「あたしもね」
里香、景子、美優も笑顔で頷いたs、それでいいとだ。
こうして五人でバンドを組むことが決まった。しかしだ。
今度は彩夏がだ。ややきょとんとした顔で述べた。
「バンドが決まったのはいいけれど」
「それでもなの?」
「名前はどうしようかしら」
彩夏は里香にこのことを尋ねたのだ。
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