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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第十八話 隣りにいる人 ★
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僕とアルフも意識を取り戻す。
「アルフ、二人を」
「あいよ!」
士郎の体をゆする二人をアルフに任せて、士郎の身体に乗って呼吸や心音を確かめる。
呼吸が浅い。
脈もギリギリのレベルだ。
だけど左腕をはじめとする身体の傷は一切ない。
どういうことだろう?
アレだけの傷がたった一日で完治するものだろうか。
とりあえずなのはとフェイトを安心させないと
「二人とも落ち着いて、傷も塞がってるし多分大丈夫。
だけどかなり深く眠ってるみたい」
僕の言葉に二人とも大きく息を吐いて安堵してる。
そんなとき
「……う」
先ほどまであれほど深い眠りにいた士郎が大きく息を吐き、ゆっくりと瞼を開いた。
side 士郎
聞き覚えのある声がする。
俺が守ろうと思った、守ろうとした二人の少女の声。
だけどその声は今にも泣きそうで
―――起きないと
泣きそうな女の子を放っておけない。
全身に重しをつけたみたいに重い。
それがなんだ。
起きないと本当に泣いてしまう。
「……う」
大きく息を吐き、周りに視線を向けると耳のある女性に抱きかかえられた二人の少女がいた。
重い身体を起こし、二人の少女に手を伸ばそうとする。
その瞬間、二人の少女に抱きつかれる。
受け止めようとするが想像以上に身体がいう事をきかない。
支えきれず少女に押し倒される。
「士郎君、よかった」
「士郎、士郎」
軋む身体には二人の少女の重みは堪えるが、涙交じりの声に泣かせてしまったという後悔だけがあった。
泣きやんでほしくて二人の頭を静かに撫でる。
胸で受け止める少女の顔は見えず、俺の視線の先には家の地下室の天井があるのみ。
なんで二人がここにいるかはわからない。
でも俺なんかのために泣いてくれているのはわかる。
だから今は静かに頭を撫ぜ続けた。
どれくらいそうしていたか落ち着いた二人がゆっくりと離れる。
と二人の背後に見覚えのある一人と一匹がいた。
「アルフにユーノ、なんでここに」
俺の言葉にアルフがあきれながら経緯を話してくれた。
つまりジュエルシードを破壊した夜の次の日か。
眠っていたのはおよそ二十時間少々といったところだろう。
しかし、これは予想外だ。
ジュエルシードとぶつかり合って循環が乱れた魔力。
損傷の酷い左腕。
数日は眠り続けると思ったが霊地が優秀なのか、子供故の回復力なのか予想以上に回復は早い。
しかし損傷のひどかった左腕は外見だけだ。
中身はまだ不完全。
戦闘に使うのはまだ無理だろう。
魔力は安定しているが十全とはいえない。
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