第一話 五人その六
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「勿論琴乃ちゃんもね」
「だったらね。私今考えたけれど」
「考えたって?」
「うん。五人でそれぞれの楽器を持って」
それでだというのだ。
「巫女さんの格好で演奏とかどうかしら」
「おい、それは駄目だよ」
美優がだ。明るく言う琴乃にこう言った。
「幾ら何でもな」
「駄目かな」
「当たり前だろ。罰当たりだろ」
これが美優の言うことだった。
「そんな。巫女さんの格好でバンドなんて」
「そうなるかな」
「神聖なんだぞ。巫女さんは」
「神様にお仕えするから?」
「そうだよ。流石にバンドとか駄目だろ」
「ううん、面白いって思ったけれど」
「面白くてもそれだけは駄目だろ」
また言う美優だった。
「幾ら何でもな」
「そうなの。がっくりよ」
「諦めろ、流石にな」
また言う美優だった。
「バンドにはバンドの格好があるだろ」
「あっ、そのことだけれど」
だがここでだ。その神社の巫女でもある景子が言ってきた。咎める感じの美優とは違い彼女の表情は落ち着いたものだ。
「多分だけれど大丈夫よ」
「えっ、そうなのか?」
「ええ。音楽って元々はね」
そういったものかとだ。景子は美優達に話す。
「神様に捧げるものだから」
「そうなのか」
「ええ。だから教会にもオルガンがあって」
所謂パイプオルガンだ。それにだった。
「聖歌隊もいるのよ」
「ああ、賛美歌か」
「クリスマスソングだってそうじゃない」
景子は期間限定のそうした歌の話もした。
「神様とかキリストのこと歌うじゃない」
「言われてみれば」
「だからね」
それでだとだ。景子は話していく。
「巫女さんも舞ったりするし」
「あんたもかい?」
「実は日舞もやってるの」
「へえ、それでか」
「巫女さんの舞も舞うわよ」
実際にそだというのだ。
「そうしてるから」
「そうだったのか」
「そう。その時に教えて貰ったの」
「音楽は神様の捧げものってか」
「音楽の神様もいるしね」
このこともだ。景子は四人に話した。
「日本の神様はとても多いし」
「八百万だtったよな」
「そう。それだけいるし」
「じゃあいいか。巫女さんの服着て演奏するか?」
美優の少し考える感じの顔を見てだ。今度はだ。
里香がだ。微笑んでこう言ったのだった。
「楽器は部室にあって。外に出せたら」
「そうね。練習も兼ねてね」
彩夏もここで話す。
「景子ちゃんの神社に行けばいいわね」
「私巫女さんの服着るとしたら」
また里香が言う。
「はじめてになるけれど」
「私もよ」
「あたしもだよ」
「私も」
琴乃達もだった。景子以外の。
「巫女さんの服を着るなんてね」
「だよな、実際な」
「そういう機会ってないからね
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