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その男ゼロ ~my hometown is Roanapur~
#18 "Walkin\' Dude"
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達と話してる場合じゃない。
部下を総動員して街を駆けずり回ってみたらどうだ?
あんたも最近は運動不足なんじゃないか。たまには自分の足で道を踏めよ。どうせ車の床くらいしか踏んでないんだろ」

……たまに思うんだが、コイツに恐えもんは ねえのか。
バラライカ相手でも平気で皮肉を言うような奴だからな。
やべえ……背中に嫌な汗が流れ出したぜ。

「まあ、運動不足ってのは否定できん。
ボスだ、トップだと祭り上げられたところで要はただの管理職さ。
実際机の前に座ってる時間が殆どでな。
お前が羨ましいよ、ゼロ。自由に振る舞えるお前がな」

旦那はテーブルから足を降ろして座り直し、煙草を灰皿に押し付けた。
そのまま前傾姿勢を保った旦那は、両手の指を組み視線は灰皿に向けたまま俺達に尋ねてきた。

いや、俺達にではなくゼロに、か。

「二人、殺られた。で、お前が殺ったのか?」

旦那の視線はテーブルに向けらていた。俺の視線はゼロに向かっていた。
尋ねられた当の本人は旦那の横顔に視線を向けたままでいた。
俺達三人の視線は重なることなく、ただ沈黙の続く船内の空気を貫いていた………













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