第14話
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血を吐くような声で言った。
「私だって、好きでこんな事をしている訳ではありません。
けど、こうしないと彼女は生きていけないのです・・・死んで、しまうんですよ。
私の所属する組織の名前は、あの子と同じ、イギリス教会の中にある必要悪の教会。
彼女は、私の同僚にして大切な親友なんですよ。」
上条は神裂の言っている言葉の意味が分からなかった、対する麻生はその話を冷静に聞いている。
どうやら訳があると思い一旦、刀を下げている。
「完全記憶能力、という言葉に聞き覚えがありますか?」
その問いに麻生が答える。
「視覚、聴覚で捉えた映像や音などを完璧に覚えそれを忘れることが出来ない、だったな。」
その答えに神裂は頷く。
「その完全記憶能力のおかげで彼女は一〇万三〇〇〇冊の魔道書を記憶する事が出来ました。
ですが、その完全記憶能力が彼女を苦しめているのです。」
「どういう事だ?」
その先の言葉を聞きたくなかったがそれでも聞かなければと上条は疑問を口にする。
「彼女の脳の八五%以上は禁書目録の一〇万三〇〇〇冊に埋め尽くされてしまっているんですよ。
残る十五%をかろうじて動かしている状態でさえ、凡人とほぼ変わらないんです。」
そこで、麻生は神裂の説明を受けて一つ疑問に思ったが最後まで話を聞く。
「だから、何だよ。
必要悪の教会ってインデックスの所属している教会なんだろう。
だったら何で必要悪の教会がインデックスを追い回しているんだよ。
インデックスはお前達を魔術結社の悪い魔術師だって呼んでいるんだよ!!」
神裂は一度言葉を躊躇ったが答えた。
「何も、覚えていないんです。
私達が同じ必要悪の教会の人間だという事も、自分が追われている本当の理由も覚えていない。
だから、自分の中の知識から判断するしかなくなった。
禁書目録を追う魔術師は、一〇万三〇〇〇冊を狙う魔術結社の人間だと思うのが妥当だ、と。」
上条はさっきのインデックスの言葉を思い出す。
インデックスは一年ほど前から記憶を失っているらしい、という話を。
「でも、おかしいだろう。
インデックスには完全記憶能力があるんだろ?
だったら何で忘れたんだ。
そもそもアイツは何で記憶を失っちまってんだ?」
上条の問いは神裂ではなく麻生が言い当てる。
「お前達が記憶を消したのか。」
麻生の答えに神裂は頷くが上条は麻生みたいに冷静にはいられなかった。
「どうして!
アンタはインデックスの仲間なんだろ!!
大切な仲間なんだろ!!
だったらどうして!?」
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