第14話
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魔境と呟き、先ほどと同じ様にぶつかり合いそれぞれの糸は持ち主にまた戻る。
神裂はその光景を見て麻生の術を観察していた。
「七閃と全く同じ軌道で同じ威力、相手が使う技をそのまま写し相殺する技ですね。」
「ご名答。
正確には同系統の技でしか使えないが、どうやらあんたとは相性が良さそうだ。」
神裂は七閃は封じられたと考え、今度は刀に持ち鞘から刀身を抜く。
すると、麻生の手にも神裂ほどではないが150センチくらいの長さを誇る日本刀が左手の手の中にあった。
神裂はすう〜、と少し息を吸って一気に八メートルという距離を詰めて横一文字に斬り払う。
麻生はその斬撃を上に弾き右手で柄を持ち神裂の首を狙い斬る。
弾かれたのに神裂はすぐに自分の刀を手元まで戻し首を狙う一撃を防ぐ。
麻生はそのまま素早い突きを三連、突き出すが神裂はそれを見切り全て避けてカウンターの様に麻生の右側面に七天七刀を振う。
しかし、麻生の脇腹に当たる直前、何かにその刀の軌道を遮られる。
(これは糸!?)
神裂が気づいた瞬間、麻生の右足が神裂の顔面に向かってきていた。
神裂は七天七刀の鞘を持っている方の手で、その蹴りを何とか防ぎそのまま後ろに下がる。
「先ほどの七閃との打ち合いの時に張り巡らせていた、という訳ですか。」
「ご名答、さすがに分かるか。
それにしてもあんたは強いな、これじゃあ上条が手も足も出ないはずだ。」
麻生は自分を守っている弦の結界を解く。
同じ手は二度通じない相手だと分かっているから解いたのだ。
下手に結界に頼ってしまいそれが破られた時、それは麻生の負けが確定する。
それなら初めから解いておき警戒した方がまだましだ。
今度は神裂と麻生の純粋な刀の打ち合いが始まる。
神裂は二メートルの刀を振り回して攻め続け、麻生はその攻めをいなし、軌道をずらし、カウンターで攻めるといった戦法だ。
上条はその激しい攻防を見続けぎゅ、と感覚のない右手を握りしめると呟いた。
「なんでだよ。」
上条の小さな呟きに麻生と神裂の耳に届かない。
「何でだよ!!!!」
上条の叫びに二人の動きが止まる。
そのまま上条は震える足で立ち上がり前に進む、揺り篭の結界を内側から破壊するが上条は全く気にしない。
「何であんたはそんな力があるのにインデックスを傷つけるんだよ!!
そんな力があれば誰だって何だって守れるのに、何だって誰だって救えるのに。」
上条は悔しかった。
麻生に助けてもらわなければ今頃、インデックスは連れ去らわれてたかもしれない自分の無力が。
そんなにも強い力を持っているのに女の子一人を追い詰める事にしか使えない事が。
神裂は今、戦いである事を忘れたかのように刀の下げてしまう。
そして神裂は
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