SAO編−白百合の刃−
SAO29-ヤンキーガール
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らった場所、そこは宮殿の裏手に回って数分ぐらい歩き、道から堀の水面近くまで階段が降りる場所がダンジョンの入り口だった。そこから下水道に入り、黒い石造りのダンジョンに侵入して数分後、全身ぬるっとした巨大カエルと黒光りするハサミを持ったザリガニモンスターのモンスター集団に遭遇してしまう。
「ぬおおおおおお!!」
「バッキャッロ!! それはオレの獲物を取るんじゃねぇ黒ばっか野郎!!」
だが問題はなかった。
なにせ、兄が右手の剣でズバッと斬っては左手の剣でドカーンっと吹き飛ばし、スコールのように二刀流で無双している。しかもそれだけではなく、エックスがもの凄い腕の速さで片手斧をブンブン回してモンスター集団を一掃。
「わたし達の出番ないですね……」
イチは兄とエックスの戦闘を見て苦笑いしていて、アスナは呆れて、ドウセツは普通に二人の戦闘を眺めていた。
「す、すごいですね……」
ユリエールさんからすれば、目と口にして驚くのもわかるような気がする。兄とエックスを見ていると無双ゲーを見ているような気分になってしまう。それ関係なしに『軍』には絶対にいない、攻略組の腕前を見ているんだから驚くのは必然だろう。
「パパーがんばれー」
「おう!」
ユイちゃんの声援に応える余裕もできているから、本当に私達の出番はないんだろう。それどころか、エックスなしでも兄一人で十分かもしれない。
楽できるのであれば、それに甘えでのんびりと眺めていましょうかね。楽できるところは楽しよう。
「お父様はやらないんですか?」
そう思っていたらスズナが訊ねてきた。
「兄だけでも大丈夫だからね」
「そうですか……」
するとスズナは視線を兄とエックスに向ける。向けるけど、ちらちらと私の方を見ていた。
「……スズナは私がかっこいいところ見たい?」
「見たい」
もしかしてと思っていたら、スズナは私の活躍を見てみたかっていた。多分だけど、ユイちゃんがパパである兄を応援するように、スズナも私を応援して、私のかっこいいところが見てみたいと思ったのかもしれない。運動会でパパが活躍しているのを見るように、自分のパパもかっこいいところが見たい、可愛い嫉妬と願望。
そういうことなら、喜んで受け入れよう。
「私が無様なところが見たいわね」
流石ドウセツ。私がスズナの要望を受けると思っての発言。残念だけど、無様な姿なんかスズナには見せたくないので、真面目にかっこいいところを見せ付けてやる。ドウセツの要望は聞訊き受けませんよーだ。
「私はドウセツの思い通りにならない悔しいところが見たいわね」
「なにそれ、そんな趣味あったの? 気持ち悪い」
「引くな! さっきの発言の対抗だっつうの!」
ドウセ
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