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SAO編−白百合の刃−
SAO29-ヤンキーガール
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 このガキ笑うなぁぁぁぁぁ!!」
「コラ、ガキがユイちゃんをガキって言わないで!」
「さり気なくオレをガキ呼ばわりしてんじゃねぇ!」

 アスナから出てこないであろう言葉を与えられ、ユイちゃんは好意的な印象を持たれてしまう。思い通りにいかず、からかわれるエックスはイチの言った通り悪い人ではない風になってしまった。

「悪い人じゃなかったら、こんなに面白くなるわけないもんね」
「聞こえてんぞ、白百合野郎」

 エックスは口を開くたびにからかわられ、身の負担がかかると思ったのか、雰囲気をひっくり返すかのように、大声でユリエールさんに話しかけた。

「おい! 銀髪の軍女! さっさと『軍』の野郎を助けにいくから案内しやがれ!」
「え?」
「さっさと助けに行くんじゃねぇのか!? 早くしろ、バカ!」
「あ……はい!」

 乱暴な口調で言われたものの、ユリエールさんはエックスが優しい人であることを理解できたようだった。そうじゃなきゃ、顔が晴れることはないし、嬉々した表情で先頭に立って案内はしないだろう。

「ユリエールさんも、エックスの優しさに気づきましたね」

 イチは視線をエックスに向けながら私にそう言った。

「そうだね」

 さっきはあんな突き放すとうなことを言ったくせに、シンカーさんを助ける気満々じゃないか。ユリエールさんもそれに気づいたからこそ、認識を変えることができたんだ。

「相変わらず騒がしい猿のようだったわね」
「ドウセツは相変わらずエックスには手厳しいよね」
「私にとってはストレス発散人物。それだけは高く評価しているわ」
「絶対その高さ、思った以上に底辺だろ」
「よくわかったわね。ええ、その通りよ。あの猿には評価を底辺にまで下げてないこちらに感謝してほしいくらいだわ」
「すげぇ図々しさだ……」

 ドウセツとエックスの仲はけして悪くはないけど、良くもない。火と油どころかハブとマングースのようにけして仲良くなることはない気がする。それもそのはず、エックスはドウセツの淡々とした発言と冷淡な態度につっかかることが多く、そんでもってドウセツはお得意の毒舌でエックスを毎回火に油を注いでいてストレス発散している関係なのだから。
 この二人はもうしょうがないと諦めよう。きっとお互いに言えないけど認めているところはあるはずだ。
……多分…………きっと…………そ、そううなってほしいなー。

「スズナ。これから未知なところに行くけど一緒に行く?」
「行く」

 ドウセツに負けず衰えない即答ぶりだった。親が子に似るのは血が繋がんなくても共通らしい。
 それじゃあ、スズナの答えも聞いたところで『はじまりの街』にある地下ダンジョンに行くとしましょう。



 ユリエールさんに案内しても
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