SAO編−白百合の刃−
SAO29-ヤンキーガール
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から証明されるように、エックスはユリエールさんに話かけた。
「よお、あんたがユリエールって奴?」
「あ、はい」
「あんたの話はイチから聞いた。シンカーって奴を助けたいんだよな」
「は、はい」
「たく、めんどうなことになる前に落とし前は付けろよな。あんた、そいつと同じ所属なんだろ。他人に助けを求めるめで放って置いているんじゃねぇよ」
「す、すみません……」
「いちいち謝るな。そういうのいらねぇから」
「は、はい」
「イチの頼みなら仕方なくやるが、お前のために動くんじゃないからな。ぶっちゃけ今回のことはどうでもいいと思っているしな」
エックスはぶっきらぼうな態度をとり、ユリエールさんに冷たく言い放つ。当然ユリエールさんは申し訳なさで気が沈んでしまった。
想像していたけど、想像通りになってしまったわね。助っ人としては申し分ないんだけど、性格が釣り合っていない。ユリエールさんに取った態度ように、基本的にエックスはぶっきらぼうな態度を振る舞うことが多く、キツイ感じにどうしても捉えてしまう。おまけに口も悪ければ態度も悪い。可愛らしさの欠片もない。男と間違われてもおかしくない。いや、男だ。
「あン?」
エックスは突然私の方へ顔を向け、睨んできた。
流石に言い過ぎたな。まさか本音が聞こえたように睨んでくるとは思わなかった。
ともかく、エックスの性格はイチと正反対のヤンキーガール。そしてそれは戦闘スタイルとビルドにも影響されている。
イチが鉄壁なら、それに反するエックスを表すのは破壊。つまり攻撃特化である。武器は片手斧の盾なし。シンプルな破壊的攻撃力は、時に無双ゲーに化ける程の圧倒的な火力。単純な火力ならSAOの中でも一番あるかもしれない。けどその分、他は劣っているに違いない。きっと耐久力なんて紙も同然なはずだ。
それでもなお、HPが0になればリトライ不可能のSAOの世界で生き続けているのはエックスがそれだけ強いし、その強さの証が常に背水の陣の精神で挑んでいるのと、性格に釣り合うこともない冷静で繊細な思考を持っているからなんだろう。
挑発したりバカにしたりすると怒ってしまうけど、ここぞって時には人格が変わる程の冷静さと平常心。けして衝動的には動かない策士のような戦闘スタイル。それが加えることで、エックスの爆発的な攻撃力が活かされているんだろう。
なんでそういうことができるのに未だにヤンキーガールでいるんだろう。いろいろと損するだけだと思うけどなぁ……とりあえず、ユリエールさんを励ましつつ、フォローでもしとこう。
「嘘ついている」
突然、誰に対して嘘をついていると指摘した。
発したのはユイちゃん。そして嘘をついていると思われるプレイヤーは……。
「赤髪のお姉ちゃん嘘ついている」
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