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SAO編−白百合の刃−
SAO29-ヤンキーガール
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っぱり“あいつ”しかいないな。
 マジか……頼りにはなるんだけどなぁ……うん……うん、しょうがないか。本当のことだし。

「あのイチさん。助っ人と言うのは……どなたでしょうか?」

 この場で知らない人はユリエールさんだけか、助っ人の件について訊ねる。

「わたしと同じギルドに所属している攻略組の一人です。性格にちょっとトゲがありますが、とても頼りになります」
「え、えっと……」

 ユリエールさんは多少混乱してしまっている。どういった人物なのか想像もできないからなのもそうなのだが、性格についても十分混乱する原因なんだろう。
 だからと言って、イチが嘘を言っているわけではない。確かに頼りになるし、助っ人としても十分な逸材のプレイヤーなんだろう。
 ただ、少し……いや、結構……性格が変わっている。
 ストレートにハッキリ言えば、ヤンキーである。

「ユリエールさん」
「あ、はい」
「今から合う奴は…………多少、大目に見てやってください」
「どう言うことですか?」
「えっと、ですね……や、ヤンキーと言いますが……」

 私がストレートに言うか、少しオブラートに包んで説明しようとする時だった。

「誰がヤンキーだ、オラァ!!」

 タイミング良く、いや悪く、聞いたことのある一人のプレイヤーの声が響く。

「!?」

 ユリエールさんは声にビビり、ビクッと驚いてしまう。それに対して私は響いた声が誰なのかを理解してしまった。そして自然に口から「やっぱりか」と、ため息をついた。
 今、注意事項をユリエールさんに教えようとしているのに、簡単に空気を読んでとは言わないけど、ある程度は空気読んでほしかったな。
 私は軽蔑するように、視線を声の主を捉える。
 目に映っていたプレイヤーは、タンクトップに左右対称のチョッキのようなものに、膝にかかるくらいのダメージショートパンツに加え、籠手を装着、主に赤を基調とした服装。そして服装の色から表すような赤髪のショートヘアの少女は、可愛らしい顔立ちをしながらも雰囲気は路地裏のたまり場に居座ってそうなヤンキーガール。
 
「紹介しますね、ユリエールさん」

 イチは赤髪の少女に寄っていき、ユリエールさんに紹介した。

「ギルド『怒涛の快進撃』の一員で助っ人の、エックスです」

 エックス。
 それがイチの助っ人のであり彼女のHN。イチが誇らしげに呼び出せる攻略組の一人。更に言えば、エックスもイチと同様に『ソロ十六士』とも呼ばれるうちの一人で、かつて私やドウセツらと共に裏五十五層を攻略した『赤の戦士』だ。
 助っ人というなら、これ以上もない助っ人だ。頼りがいもあるし、実力も十分だ。それだけで良かったのになーと思ってしまう問題が一つあった。
 そんな不安をこれ
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