SAO編−白百合の刃−
SAO29-ヤンキーガール
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「みなさん心強い人達ですし、防御は任せてください」
イチ、そして私を含めた攻略組は問題ない様子だ。六十層配置のダンジョンを充分にマージンは取るとして、攻略するレベルは70ぐらい必要だと考える。私達のマージンは十以上レベルをとっているから大丈夫。しかも兄に至っては90を超えていて、ユニークスキルの二刀流を習得している最強の一人である。それを含めて私達はそう簡単にやられはしない。ユイちゃんとスズナがいても、六十層配置のモンスターなら守りながらでもシンカーさんを助けられる。
「あ、でも……もう一つだけ気になることがあるんです」
「気になること?」
私はそう訊ねると、ユリエールさんは気がかりな表情を浮かべながら、言葉を続ける。
「先遣隊に参加していたプレイヤーから聞きだしたんですが……ダンジョンの奥で巨大なモンスター、ボスを見たと……」
そのことを聞いた私達は顔を見合わせた。
「ボスも六十層くらいの奴なのかしら……。あそこのボスってどんなのだっけ?」
「えーと、アスナが言っているのって、石でできた鎧武者のこと?」
「そう、それそれ」
「あー、アレかぁ。アレ……あんまり苦労しなかったなぁ……」
「それは……キリトさんが強いからじゃないですか?」
私達は軽い思い出話をするように大丈夫だと判断した。
「当時と違って少人数ですけど、なんとかなると思います」
「そうですか、良かった!」
私の発言でユリエールさんは口許を緩め、何か光眩しい物を見るように目を細めながら言葉を続けた。
「そうかぁ……皆さんはずっとボス戦を経験していらっしゃっているんですね……。すみません、貴重な時間を割いていただいて……」
「大丈夫ですって、私と兄達は休暇中ですし……イチは?」
「わたしも同じです。それに自分の意志でシンカーさんを助けたい、と思って一緒についていますので、無駄な時間ではありません」
「キリカさん、イチさん……」
そうこうしているうちに、『生命の碑』が設置されている黒光りする巨大な建築物、『黒鉄宮』に到着していた。『軍』のテリトリーは奥に続く大部分の敷地である。
「ところで、イチ」
「へぇい! ひゃんくしょん!」
ヘイ! フィクションって、どんな作り事だよ。イチはいい加減兄に慣れなさいって。
それに比べて兄は流石にイチの扱いが慣れたのか、そのまま話を続けた。
「助っ人呼んだみたいだけど……」
「あ、しょのこ……」
イチは一回咳払いをして、深呼吸する。
「ゴホン……そ、そのことですが、助っ人ならもうすぐ来ます。なんだって、わたしの信頼する親友です」
…………。
イチが信頼している親友で、誇らしげに呼び出す程のプレイヤーで思い当たるのは……や
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