SAO編−白百合の刃−
SAO29-ヤンキーガール
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ここ、です」
「ここ?」
聞いていたアスナが首をかしげる。
「第一層?」
「そんなわけないでしょ。まともじゃない頭を壊れるくらい回しなさいよ」
ドウセツからありがたい冷たい言葉を頂きました。わ、わかっているもん。第一層にシンカーさんが閉じ込めるメリットがないことだってわかっているもん。
「ここって……どう言う意味ですか?」
首をかしげていたアスナは、追及しようと問いかける。
「この……『はじまりの街』にある中心部の地下に、大きなダンジョンがあるんです。シンカーは……多分、その一番奥に……」
「マジかよ。ベータテストの時にはそんなのなかったぞ。不覚だ……」
兄はうめくように言う。いわゆる条件つきで明かされる隠しステージみたいなもんかな?
「そのダンジョンの入り口は黒鉄宮…………つまり、軍の本拠地の地下にあったのです。おそらく、上層攻略の進行具合によって解放されるタイプのダンジョンなんでしょうね。発見されたのはキバオウが実権を握ってからのことで、彼はそこを自分の派閥で独占しようとしていました」
「なるほど。未踏破ダンジョンは一度しか出ないレアアイテムも多いから、キバオウ達は独占して儲かったんだろうね」
私がそう言うと、ユリエールさんはわずかに痛快と言った色合いを見せる。
「それがそうでもなかったんです」
「と言うと?」
「基本フロアにあるにしては、そのダンジョンの難易度は恐ろしくて、高くて……基本配置のモンスターだけでも六十層相当くらいのレベルがありました」
「あぁ……なるほどね」
ユリエールさんの話を聞いて納得した。『軍』のこと考えると、上手くいかないのも想像できる。それができたら、七十五層のフロアボスに対してもう少し戦えたはずだ。
「キバオウ自身が率いた先遣隊は散々追いまわされ、命ながら転移脱出する破目になったそうです。そして使いまくったクリスタルのせいで『軍』の資金は大赤字になりました」
「そのことも含めて救出が難しくなったってことかしら」
「はい」
ドウセツ冷静に口に出すと、ユリエールさんはすぐに沈んだ表情を見せた。
「キバオウが使った回廊結晶は、モンスターから逃げ回りながら相当奥まで入り込んだ所でマークしたものらしく、シンカーがいるのはそのマーク地点の先なんです。レベル的には、一対一ならどうにか倒せなくもないモンスターなんですが、連戦はとても無理です。…………失礼ですが、皆さんは……」
私達は……。
「ああ、まぁ、六十層くらいなら……大丈夫だろう」
兄は問題ない。
「別に問題ないわ」
ドウセツも同じ。
「なんとかなると思います」
アスナも同様。
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