第3章 白き浮遊島(うきしま)
第29話 死体を飲み込むモノ
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けた瞬間に連絡が入って、即座に転移して来た心算ですから、遅いとか言われるとは思わなかったのですが。
それに、俺とタバサは、突如、何もない空間から現れたはずなのですが、その部分に対してのツッコミは無いのですか。普通に考えると、かなり不思議な出来事が目の前で起きていると思うのですが。
それとも、このトリステインでは唯一の東洋の神秘を体現する俺が、今更何をしても驚くに値しないと言う事なのでしょうか?
いや、もしかするとキュルケがラ・ロシェールに現れた理由が、自分達を手助けする為だと気付いていたのなら、この状況でも助けが来ると信じて諦めずに行動していたと考えるべきなのかも知れませんね。
但し、船の大半が焼けて仕舞ったラ・ロシェールからここにやって来るのは難しかったですし、転移魔法が使用出来なければ、戦場のど真ん中にやって来る事など不可能だったと思うのですが。
「ルイズ。せっかく、助けに来てくれた味方に、その言い方はないのではないかね」
意外に落ち着いた雰囲気でそう問い掛けるギーシュ。豪胆なのか、それとも、少し危機感が足りないだけなのかは判りませんが。
尚、彼の作製した、と思しき青銅製のゴーレムが防衛線を築いて、そこから漏れ出て来た敵を才人が対処する、と言う戦法で狭い城内の通路を後退しながらの戦いを切り抜けて来たみたいですね。
そう言う意味で言うなら、ギーシュくんが居なかったら、多勢に無勢。あっと言う間に周りを取り囲まれてルイズと才人は捕まるか、殺されていた可能性も有ったと思います。
狭い場所では、いくら素早く動けたとしても、厳しい戦いになるモノですから。
「そうしたら、一気に逃げるから、何処でもいいから俺に触れていてくれよ」
そう一同に伝える俺。
基本的に転移魔法は有る程度の範囲内に存在する人物や物体を運ぶ術なのですが、矢張り、自らに触れている物を運ぶ方がイメージし易いのです。
そして、それと同時に、
【タバサ。一発大きい仙術を俺達が逃げ出す直前に放って、目くらましにしてくれ】
……と、【念話】で伝えた。
もっとも、その程度の事で転移魔法の存在を隠す事は難しいとも思いますが、それでも、ルイズ達を救う方が重要です。まして、牽制は必要ですから。
それに、登場する時にも使用したのですから、もう仕方がないでしょう。
タバサが俺の方を見つめながら、ひとつ首肯く。
尚、その時、ルイズが俺とタバサの方を見つめていたのですが、言葉にしては何も問い掛けて来る事は有りませんでした。
……彼女、【念話】の存在にまで気付いたと言う事なのでしょうか。
まさかな。
突如、現れた援軍と、その時に放たれた電撃によって少し混乱し掛けていた兵士たちが、体勢を整えて隊列を
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